徴兵登録センターに美女2人が現れる
1954年の兵役法によれば、タイでは男性が21歳から兵役に就くことができ、現役のタイ軍では兵士は通常2年間服務することになるという。出生率にもよるが、毎年8万人から10万人の兵士を採用しており、今年は8万5000人の定員のうち4万人が抽選で採用されることとなった。毎年4月上旬におこなわれるその抽選の仕組みは至ってシンプルで、赤を引くと2年間入隊が決定し、黒を引くと免除されるというものだ。
そして、このほど、入隊が決定した兵士たちが登録センターで検査をおこなっていたところ、突然こんな美女2人が現れて注目を集めたようだ。
Thai trans beauty queens stun military recruiters when they pitch up to enlist https://t.co/9kyrRYVOly
— South China Morning Post (@SCMPNews) April 21, 2024
一体なぜ、徴兵登録センターに女性がやってきたのかおわかりだろうか。実は、彼女たちはトランスジェンダーなのである。
トランスジェンダー美女だった
バンコクにあるスリプタム大学の学生、パリダ・ケラユパーンさん（21）は、その魅力的な外見からキャンパス大使を務めており、インスタグラムでも6万9000人のフォロワーを抱える人気者だ。そして、カントン・パッサラポンさん（21）もこれまでに100回ほど美人コンテストでチャンピオンのタイトルを獲得するなど、ファンからは「タイのベイ・エンジェル」と呼ばれているという。
現在、タイではトランスジェンダーは関連する診断書を提出できれば兵役免除を申請できるが、それでも抽選には参加しなければならない。そこで二人は赤を引いてしまったわけだが、この日、性別適合手術の証明書を持って採用事務所に行き、無事、免除申請をすることができたようだ。
他にも、高校で3年間の予備役将校訓練プログラムを受けたり、身体に障がいがあったり、また仏教教育を受けた僧侶なども免除申請を受けることができるそうだが、抽選に参加しなければ最高3年間の禁固刑に処される可能性もあるという。タイでは、このようなトランスジェンダーが登録センターに足を運ぶ様子は毎年恒例の光景となっているようだが、それでも「兵役の会場というよりも美人コンテストみたいだ」「女性として何か劣等感を感じてしまう」などと、ネット上では様々なコメントが寄せられている。
