大切な漫画を勝手に捨てられてしまう
台湾の嘉義市に住む60代の女性は、同居する息子(20)の漫画コレクションが増え続けることにうんざりしていたという。ある日、部屋をのぞいた母親は偶然見つけた『進撃の巨人』32冊を手に取り、これを捨てることで必要なスペースが確保できると考えた。そして、息子に確認することもなく、32冊を無断で処分してしまったのだ。
当然ながら、帰宅した息子はすぐに自分のコレクションがなくなっていることに気付き激怒したという。大切なコレクションを勝手に捨てられるということは多くの人にとって許容できることではないだろう。この息子も例外ではなかったが、なんと彼は警察に通報し、しまいには実母を訴えるというケースにまで発展したのである。
息子が母親を訴え母親に罰金命令が下る
法廷で息子は、『進撃の巨人』は非常に人気のある漫画であり、捨てられた32冊のうち何巻かはすでに絶版となっていること、そして巷ではコレクターズアイテムとなっており再び全巻を揃えることは非常に困難であることを主張した。一方、母親は漫画の一部が湿気ていたこと、そして部屋を占領していたために捨てたことは正当だと主張した。母親は息子と仲直りしたいと語っていたものの、大切なコレクションを勝手に捨てられた息子は母親と話すことはなかったようだ。
この事件は今年2月に起きたものだが、最近になって嘉義地方裁判所は、器物損壊罪として母親に5,000台湾ドル(約22,800円)の罰金を科すという判決を下した。母親が息子の財産権を尊重しなかったことは不適切だったということは認められたものの、台湾メディアによると息子は母親と和解する気はないという姿勢を貫いているとのことだ。