チェス大会で体調不良に、その理由は…
今年8月、ロシア南部で開催されたチェス選手権において、なんとも恐ろしい事件が起きていたという。
この大会に参加していた女性プレーヤー、ウマイガナット・オスマノワさん(30)は対局開始直後に突然激しいめまいと吐き気におそわれ、体調不良を訴えた。その理由を探るべく、会場内の監視カメラを確認したところ、そこには驚くべき瞬間が捉えられていたのである。
オスマノワさんの対局相手であり、チャンピオンでもあったアミーナ・アバカロワ(40)が誰もいない会場にやってきて、オスマノワさんが座るであろう席を見つけると、バックから取り出した何かを盤やその周辺に塗っている様子が映っていたのだ。実はこれ、水銀の粉だったというのである。
ライバルによって盤に水銀が塗られていた
水銀は、摂取すると消化管、神経系、腎臓に損傷を与える危険な元素であり、ウマイガナットさんは命の危険さえあったことだろう。しかし、瞬時に体調不良に気付いたことが幸いしたのか、その後も引き続き大会に参加し、結果的に入賞できたという。
今回の事件は大会の審判が警察に通報したことで、すみやかに会場の監視カメラが確認され早期解決となった。そして、殺人未遂の罪でアバカロワは拘留され、有罪になれば3年以下の懲役刑に処されるということだ。
チャンピオンの経歴を持ち経験も豊富だったアバカロワの行動について「常軌を逸している」「会場にいた人たちの命を脅かすという悲劇的な結果を招いた」などと周囲の人々には到底理解されないようだが、アバカロワによると、最近の地方の大会でオスマノワさんに敗戦し、彼女が自分や親族に対する陰口を叩いていたことが許せなかったということだ。
アバカロワはチェスのコーチとして働きながら学校でも教えており、一方でオスマノワさんは自分のチェススクールを経営しているという。二人は長年のライバルだったとのことだが、正々堂々とチェスの勝負をしたうえで、互いに高みを目指すことはできなかったのだろうか。
参照元:YouTube、news.com.au