ひき逃げ事故で39年分の記憶を失う
たとえば1980年代に生きていて、突然現代にタイムスリップしたと想像してみてほしい。スマートフォンや人工知能、インターネットやソーシャルメディアなどというものは未知のものだと感じるだろうし、自分が知っている人たちは今はもう生きていなかったり、かなり年をとっているはずだ。
イタリアに住む60歳の男性はひき逃げ事故にあった後に昏睡状態に陥り、目が覚めるとなんと過去39年分の記憶を失っていたという。自分の家族のことすら覚えていない男性は、日常生活に適応しようと試みるもかなり苦労していると現地メディアが報じている。
Man is hit by a car… and wakes up in 1980: Father, 63, stirs from coma believing he is 24 after losing 39 years of memories – and is now living in a sci-fi reality baffled by smartphones and a son 'older than he is' https://t.co/EvvjmOsA45 pic.twitter.com/13aGqIdT4w
— Daily Mail Online (@MailOnline) October 22, 2024
2019年にひき逃げ事故にあい、数日後に目を覚ましたルチアーノ・ダダモさんは、自分は24歳で当時交際していた19歳の婚約者との結婚を待っているものだと思っていた。しかし、目の前には妻だと名乗る老女や「お父さん」と声をかけてくる30代の男性がおり、また、鏡にうつる白髪の老人の姿に困惑したようだ。
事実を受け入れ家族との関係の再構築を試みる
大きな夢を抱いていた24歳の青年ではなく数歩歩くのがやっとの自分がいて、そのうえ、19歳の婚約者ではなく、自分のことを夫とよぶ老女や父と呼ぶ男性がいるということは到底理解できなかったことだろう。
現在、ダダモさんは学校でメンテナンスの仕事をしており、この子供たちと過ごす環境はダダモさんが理解不能なこの世界で平常心を見出し、また、新たな視点や喜びを与えている。また、心理学者の助けを借りながら、39年分の記憶が戻らない可能性があるという事実を受け入れながらも、家族や友人関係の再構築にも努めているという。
ダダモさんのこの特異なケースは国際的な科学界から注目を集めているが、2019年にひき逃げ事故を起こしてダダモさんの人生を変えた犯人は今もまだ見つかっていないとのことだ。
参照元:X、Oddity Central