大雨や洪水のあと、川から思わぬものが流れてくることがある。
インド北東部のビハール州では、隣国ネパールから流れ込んだ洪水とともに、地元では見慣れない魚が相次いで姿を現した。
「これは珍しい魚では?」と思って捕まえて食べてしまいそうなところだが、州政府は住民に対して異例の注意を呼びかけている。「その魚、食べないでください」というのである。
ネパールから洪水と一緒に「見慣れない魚」がやってきた
2026年8月末、ネパールで発生した大規模な洪水の影響で、ビハール州を流れるガンダク川やコシ川などの水位が上昇した。大量の水や泥、流木などとともに流れてきたのが、地元では普段あまり見かけない魚だった。
西チャンパラン県やゴパルガンジ県などでは、見慣れない魚が水域や低地で確認された。実際にこうした魚を食べたあと、腹痛や下痢、嘔吐などの症状を訴えた人もいるという。
そこでビハール州の酪農・水産・動物資源当局は、洪水で流れ込んだ正体の分からない魚について、「食べない・売らない・買わない」よう住民に注意を呼びかけたのだ。
जनहित में आवश्यक सूचना / एडवाइजरी
नेपाल की ओर से बाढ़ के पानी के साथ बिहार में पहुंची अज्ञात /असामान्य मछलियों के संबंध में सावधानी बरतें— Dairy, Fisheries and Animal Resources Dept., Bihar (@BiharAFRD)
August 31, 2026
魚そのものに毒があるわけではない
ただし、「ネパールから謎の毒魚がやってきた」という話ではない。問題なのは、その魚がどんな水の中を通ってきたのか分からないことである。
洪水になると、川や池、湖、養殖池などの境界がなくなり、魚は普段の生息場所から遠く離れたところまで流されていく。その途中には下水や腐敗物、動物の死骸などで汚染された水もあり、州当局によれば、こうした水に長時間さらされた魚は細菌やウイルス、真菌などに汚染されている可能性があるという。
つまり、「珍しい魚だ! 食べてみよう!」という好奇心が、思わぬ腹痛につながりかねないのである。
実は「謎の魚」の正体も見えてきた
さらに現地報道によると、洪水で流れてきた大型魚の多くは、南アジアの急流などに生息する大型ナマズの仲間「バガリウス・バガリウス(Bagarius bagarius)」、いわゆるグーンチではないかとの見方も出ている。
つまり、未知の怪魚が突然出現したというわけではなさそうだ。それでも洪水の中を流されてきた魚である以上、安全性が確認できるまでは食べないほうがいいという当局の姿勢に変わりはない。
大雨が運んでくるのは水だけではない
洪水というと、浸水や土砂災害ばかりに目が向く。しかし大量の水が運んでくるのは、泥や流木だけではない。魚をはじめ、普段ならそこにいるはずのない生き物まで思わぬ場所へ運ばれることがあるのだ。
大雨のあと、目の前に見たこともない大きな魚が現れたら、捕まえてみたくなる気持ちは分からなくもない。しかし勿論の事、すぐ晩ごはんにするのはやめておいたほうがよさそうだ。
世界は今日も、ちょっと面白い。
参照元:
The New Indian Express【1】
The Times of India【2】
NDTV【3】
Dairy, Fisheries and Animal Resources Dept., Bihar(X)【4】








