スマホはもうポケットに入れない? 袖がタッチスクリーンになる服が登場!

テクノロジー

スマホを取り出そうとして、ポケットをゴソゴソ。冬場なんか手袋を外して、スマホを操作して、また手袋をはめて……。もう面倒くさい!
だったら、服そのものをスマホみたいにしちゃえばいいんじゃない? そんな発想を本当に形にしてしまった研究者たちがいる。

袖をタッチすると画面が動く!

2026年10月、シンガポール国立大学の研究チームが、服の袖にタッチスクリーンを組み込む技術を発表した。これ、服の上にスマホを貼り付けたわけじゃない。なんと、布を構成する「糸」そのものがディスプレーになっているのだ。

袖を指でタッチすれば、電卓を操作したり、写真を表示したり、動画を再生したりできる。つまり、腕がディスプレー。これぞ本当の「袖の下」テクノロジーだ。意味は全然違うけど。

糸の中にLEDを詰め込んだ!

研究チームが開発したのは「デジタル・ピクセル繊維」と呼ばれるもの。直径約1ミリの細い繊維の内部に、小さなLEDや電子回路、タッチを検知する仕組みが組み込まれている。今回の試作品では、LEDを96個ずつ搭載した繊維54本を組み合わせた。その結果、横16.8センチ、縦10.5センチのディスプレーが完成したという。

解像度は96×54ピクセル。今どきのスマホと比べれば、かなり粗い。でも、ちょっと待ってほしい。これは液晶パネルを服に貼り付けているわけではない。

服そのものが画面になっているのだ。それだけでも、なかなかすごい話じゃない?

しかも洗濯できる!

電子機器を服に組み込むとなれば、当然気になるのは洗濯だ。汗をかいたからといって、毎回クリーニング店に「この電子回路、洗ってください」と持ち込むわけにもいかない。ところが研究チームによれば、試作品は洗濯機で50回洗っても、表示やタッチ検知の性能に大きな変化がなかったという。さらに、1000回曲げる試験にも耐えた。

布としての通気性も確保されているそうだ。なかなかタフな袖である。

服がコンピューターになる未来

試作品では、電卓や写真表示だけでなく、コンパス、音声操作、Bluetoothによる画像受信なども実現している。センサーを使えば、体温を測定して袖に表示することもできる。
将来は健康状態を知らせる服や、作業中に情報を表示する作業着などにも応用できるかもしれない。もちろん、現時点では研究段階だ。

解像度の向上や電源・制御装置の小型化など、実用化にはまだ課題がある。それでも、スマホの画面を大きくする競争とはまったく違う方向に、コンピューターが進化しているのは面白い。

洗濯できるのはすごいけど、バッテリーはどうするの?

さて、ここまで読んで、ひとつ気になることがないだろうか。袖にLEDが何千個も入っているのは分かったけど、それを光らせる電気はどこから来るんだ?

実は今回の試作品、電源には外付けのリチウムポリマー電池を使っている。制御用のマイコンも別に用意されていて、ケーブルで袖のディスプレーにつながっているのだ。つまり、服そのものが画面になるところまでは実現したけれど、電源まで服に溶け込んでいるわけではない。現時点では、完全に独立した「着るスマホ」とは言えないんだね。研究チームは将来的な課題として、体温や身体の動きから電気を生み出す技術などにも注目している。歩くだけで充電できる服なんてものが実現したら、これはなかなか面白い。

もっとも、そんな未来がやって来たら、今度は「今日はあまり歩かなかったから、袖の電池が切れちゃった!」なんてことになるのかもしれない。

スマホの充電を忘れるだけでも困るのに、今度は服まで充電しなきゃいけないとは!未来のファッションもなかなか忙しそう。

参照元:
シンガポール国立大学・公式発表
Nature・研究論文
x.com/DigitalTrends

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てつろう

未来の技術にワクワクする、ちょっと脱力系のテック好き。

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