2012年12月21日。人類は滅亡する!
覚えているだろうか。あの頃、こんな話が世界中で大騒ぎになっていた。古代マヤ文明の暦がこの日で終わる。だから地球も終わる。なんとも恐ろしい話である。
ところが、あれから14年。
人類はまだピンピンしている。今日も会社に行き、スーパーで買い物をし、スマホをいじっている。
おかしいな。滅亡するはずだったのに。いったい、あの予言はどこへ行ってしまったのだろう?
マヤ人は本当に世界の終わりを予言したの?
そもそも、マヤ文明の人々は何を予言していたのか。
・・・実は、世界が滅亡するなんて予言はしていなかったらしい。
マヤ文明には「長期暦」という、ものすごく長い期間を数える暦があった。その大きな周期の区切りが、たまたま2012年12月21日だったのだ。要するに、カレンダーが一周したようなもの。12月31日になったからといって、「大変だ! 明日から地球がなくなる!」とは普通思わない。
ところが、現代人は思ってしまったのである。
古代マヤ人も、まさか自分たちの暦で数千年後の人間が大騒ぎするとは思わなかっただろう。
でも、2012年と書かれた石碑は本当にあった
もちろん、何もないところから突然こんな話が生まれたわけではない。メキシコのトルトゥゲーロ遺跡には、「第6記念碑」と呼ばれる古代マヤの石碑がある。そこには、2012年12月21日に対応する日付への言及が残されているのだ。
おお、やっぱり予言はあったのか!
……と思うのは、ちょっと早い。
この石碑、実は一部が壊れていて、書かれている内容にも解釈が分かれるところがある。少なくとも、「この日に人類は全滅します」なんて書いてあるわけではない。それなのに、いつの間にやら世界滅亡の予言にされてしまった。
古代マヤ人にしてみれば、「いや、そんなこと言ってないし!」という感じだろう。
しまいには謎の惑星まで登場!
2012年が近づくと、終末説はどんどん派手になっていった。謎の惑星ニビルが地球に衝突する! 太陽が大爆発する! 地球の磁場がひっくり返る!
もう何でもありである。
しかも、こうした話の多くはマヤ文明とはほとんど関係がない。いつの間にか、古代文明の暦が宇宙パニック映画みたいな話になってしまったのだ。
さすがにNASAも黙っていられなかった。NASAは当時、こうした終末説に科学的な根拠がないことを説明する動画まで公開している。
考えてみれば、巨大な惑星が地球にぶつかるほど近づいていたら、世界中の天文台がとっくに大騒ぎしているはずだ。
NASAにまで「大丈夫ですから!」と言わせたのだから、人類の想像力も大したものである。
そして、運命の2012年12月22日
いよいよ迎えた2012年12月21日。
世界中の人々が、多少なりとも空を気にしていたかもしれない。
そして翌朝。
……普通に朝が来た。
太陽は昇るし、電車は走るし、コンビニも営業している。地球は何事もなかったように、いつもの一日を始めてしまった。
もし終末説を信じて仕事を辞めていた人がいたら、翌日からが本当の地獄だったかもしれない。
「すみません、やっぱり来月から働かせてもらえませんか?」
なんとも気まずい話である。
結局、誰が間違っていたの?
こうして振り返ると、マヤ文明の人々は別に間違ったことをしていない。彼らは独自の暦を作り、天体の動きを観察し、長い時間を数えていただけなのだ。
それを数千年後の現代人が、勝手に世界の終わりと結びつけてしまった。
というわけで、今回の結論。
マヤ暦は間違っていなかった。間違っていたのは、それを読んだ現代人だった。
そして2026年現在、人類は相変わらず元気に暮らしている。
まあ、次の終末予言が出てきたら、きっとまた大騒ぎするんだろうなあ。
人類というのは、どうやら滅亡するより”滅亡の噂を楽しむ”ほうが得意みたいですね。
参照元:
スミソニアン国立アメリカ・インディアン博物館・マヤ暦の解説【1】
NASA JPL・2012年終末説の検証動画【2】
NASA JPL・2012年終末説の科学的検証【3】
Yotube NASA【4】








