ビルなどの建造物に、美しい映像を映し出すプロジェクションマッピング。1990年頃からあらわれはじめた映像表現が世界的に認知されたのは2008年の北京オリンピックだろう。以降いろいろな場所で目にすることも増えてきたように思う。
日本でも歴史的建造物であるお城や、それ自体が芸術作品である太陽の塔にプロジェクションマッピングをするなど盛り上がりを見せている。
しかし、海外にはもっとすごいプロジェクションマッピングがあった。それがこの作品。
なんと映像が映し出されているのは南米アマゾンのジャングルなのだ。漆黒の闇に映し出される表情豊かな人々の顔。そして万点の星空。
通常プロジェクションマッピングといえば、建物に映像などを映し出してそれを作品とするものが多い中、この作品は周りの環境をも作品として成立させてしまう、これまでのプロジェクションマッピングをその先へ推し進める壮大な作品だ。
この作品の作者はphilippe echaroux。写真家としてキャリアをスタートさせたフィリップさんは“less than one minute” というセレブのポートレイト作品ですぐに世界になを轟かせます。その後“Street Art 2.0”としてスタートさせたのがこのプロジェクションマッピングなのだ。
フィリップさんご本人。
フィリップさんは世界各地でこのようなプロジェクションマッピングの作品を作成していて、キューバのハバナや地元であるフランスのマルセイユなど、その国その街の風景にプロジェクションマッピングとライティングで素晴らしい世界観を展開してる。そしてそのメッセージ性にも注目してもらいたい。
フィリップさんのプロジェクションマッピングは決して技巧的ではないが、その街の風景そのものをアートへと昇華させる素晴らしい作品だ。是非日本の街の中でフィリップさんの作品を見たいものである。