あと数秒遅れていたら彼は亡くなっていたかもしれない。
4月22日、アメリカ・コネチカット州でとらえられたある映像が話題を呼んでいる。
警官であるジャスティン・マーティンさんはその日の午後、「喧嘩っ早い居住者がいる」との通報がありアパートへ向かった。
近年、アメリカでは白人警官による黒人射殺事件が相次ぎ、2012年より警官への小型カメラの装着をすすめている。結果、警官の暴力的な振る舞いの防止や、検挙率の向上が認められた。
この映像も「喧嘩っ早い居住者」に暴行されることを想定して撮影されたものと思われるが、予想だにしなかった衝撃的な瞬間が映り込んでしまった。
他のスタッフを連れ、マンションの3階へ向かう。しかし、廊下はがらんとして誰もいない。
しかし、左手を見ると様子のおかしい男性がバルコニーに歩いていくのが見えた。マーティンさんは何かを感じ走り出した。
マーティンさんは急いで後を追い、バルコニーに身を乗り出していた男性のズボンを掴む。
男性は無事に済んだものの、横たわる姿からは悲しみと絶望が伝わってくる。
マーティンさんの勇敢な仕事ぶりに「危なかった!」「すごい!」と称賛する声が多い中、自殺しようとしていた男性を思う気持ちが多数見受けられた。
これが掲載されていたLiveleakのコメント欄には、自殺という問題の難しさから色々な意見が書かれていた。
これが本当に「救い」になるのか、悲惨な人生の続きになるだけではないのか。
この意見について同意するコメントが多い。中でも、「苦しみや孤独を抱えて生きながらえるだけ」という一言が最も印象的だった。
一方、こんな鋭い意見も。
気を引きたかったんじゃないか?彼は明らかに柵をつかんでるし、身を投げようとしてない。
情報がとても少なく、通報と食い違っている現場の状況から・・・この理由も大いにあり得る。
筆者(手羽先)は、マーティンさんが到着した途端走り出した時点で、衝動的な自殺のように思った。「喧嘩っ早い居住者」という通報からも伺えるように、精神的に不安定な人なのだろうか。
なお、彼の人物像について様々な憶測が飛んでいるが、名前などの素性については一切明かされていない。
今回、このようなドラマチックな救出劇が拡散したが、筆者がみたニュースメディアのほとんどは、警官の勇猛な部分にしか触れていない。
男性は生き残って今、何を感じているのだろうか。
この後の人生でいつか、「生きててよかった」といえるまでに立ち直ってくれれば良いのだが・・・。
参照:LiveLeak