”顔が溶ける性病”梅毒が日本で爆発的に増加中。知っておきたい原因と流行背景
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新年度も落ち着いてきて、そろそろ癒されたい今日この頃。ちょっとだけ火遊びでもして、20代の若い女の子と遊んじゃおうかな。とお思いの紳士たちもいるだろう。
だが、火遊びもほどほどにしておいたほうがよさそうだ。
なぜなら、これまで過去の病気だと思われていた「梅毒」の感染者が爆発的に増加しているからだ。
ここ5年で5.5倍のペースで感染患者が増えており、その勢いは収まる気配がない。
国立感染症研究所の統計結果によると、梅毒の患者数はほとんど発症者のみられなかった2010年を境に増加傾向に転じ、2014年には激増している。(画像右上)
地域別でみていくと、東京都、大阪府、神奈川県といった都市圏で多くの感染が報告されている。
次に年齢階級別・性別報告数を見てみよう。
統計上では、20代~50代の男性が最も多い数字となっている。同性愛者同士の性交渉や、風俗などの性サービスを利用することが多いからだ。
中でも注目していただきたいのは、女性の梅毒患者が急増していることだ。
増加が始まった2013年と、中国人による「爆買い」ブームが期間が一致していることから、中国人が性サービスを利用し梅毒ウイルスの菌を持ち込んだことが原因と言われている。ちなみに中国での梅毒患者数は日本のおよそ300倍であり、あながち嘘とは言い切れない。
これを読んでいる上の世代の男性たちも無関係ではない。風俗などでサービスをしてくれる女性が、いつどんな人間と性交渉したかはいちいち確認していられないだろう。梅毒の感染リスクは誰にでも存在しているのだ。
感染経路と症状
●感染経路
感染のきっかけとなるのは、挿入といった性器や肛門との接触の他、オーラルセックス、キスといった粘膜の接触である。
よって、コンドームの使用によってある程度の感染リスクは抑えられる。ただし、覆わない部分からの感染も起こる可能性があるので、100%防げるとは言えない。感染者とはできるだけ性行為を行わないことが望ましい。
梅毒は、感染後1週間~13週間の潜伏期間を経て発症する。
感染後3週間~3ヶ月経つと、感染経路となった部分(陰部、口唇部、口腔部)に膿をもったしこりがでてくる。股の付け根部分(鼠径部)のリンパ節が腫れることもある。
梅毒は全身病であるため、頭髪の脱毛や目のかすみなど症状は多岐にわたり、梅毒の専門でない医師では判断は難しい。その上、はっきりした痛みはなく2~3週間で症状が治まってしまうせいで、見過ごされやすいのが特徴である。
感染後3ヶ月~3年の状態で、全身のリンパ節が腫れ、発熱や倦怠感、関節痛などの症状が現れる。また、全身に発疹が現れる。インフルエンザや風邪に似た症状であるため、この時点でも梅毒だと気づかれない場合もある。
また、3ヶ月~18か月で梅毒のウイルス細菌は中枢神経に侵入し、髄膜炎を引き起こす。
1ヶ月で症状はなくなるが、抗生物質などで治療しない限り感染状態は続く。
治療法が確立した現代で、梅毒がここまで進行するのはきわめて稀であるが、注意喚起のため紹介しよう。
感染後3年~10年が経過すると、肌や骨、臓器や血管にゴムのような腫瘍が現れる。ゴム腫の現れた部分は激痛に見舞われ、骨に現れた場合、体をえぐるような強い痛みが引き起こされる。
ゴム腫がつぶれると、顔の一部が徐々に欠損しはじめ、上の画像のように顔の組織が陥没していく。
第4期にはいると、梅毒ウイルスの細菌が脳に達し、記憶障害や、失禁、全身麻痺、失明などの重篤な症状が現れる。
治療法と予防
前項で恐ろしい症状を解説したが、梅毒は現代の治療が定着するまで多数の死者を出してきた病気である。
第1期症状が発現した時にペニシリン系抗生物質で治療すれば、約4週間ほどで回復できる。もし粘膜に近い部分に湿疹が現れたら、すぐに病院に行って検査をうけるべきだ。
もう一つ知っておきたいのが、梅毒は免疫が低下するのでHIVを併発してしまう可能性があるということ。梅毒の検査と併せて調べてもらえるところも多い。
梅毒の検査は医療機関にかかる他に、事情あって受診できない人のために、郵送で検査キットを送ってくれる診療所も存在する。
また自治体によって無料で検診が受けられる。匿名での受診も可能だ。以下の保健所では無料・匿名で検査することができる。
東京都⇒ 東京都南新宿検査
大阪府⇒ 北区保健福祉センター
予防には、前項でも示したようにコンドームの着用が欠かせない。未着用で性行為を行うことで、梅毒の感染リスクは3倍にも高まる。もちろん、不特定多数多数の人物と性行為をしないことも重要だ。
梅毒には潜伏期間もあるため、感染に気付かず性行為を続けてしまうことから感染の拡大は止められないだろう。既にここまで広まったということは、女好き・男好きの人々の間でネズミ算的に増えていくことは間違いないと考えられる。
少しでも心当たりがあれば検査にいくことをお勧めする。
参照:国立感染症研究所 ①、②、Pinterest ①、②③、④、⑤、⑥、
※5/22 コメント欄に指摘がありましたので一部表記を修正しています。