難病と闘う26歳の双子姉妹
今回紹介したいのはアイルランドに住むコチラの双子の姉妹だ。
26歳のゾイ(左)とルーシー(右)。彼女たちは200万人に1人ともいわれる、体中の筋肉が骨となり固まっていく難病と幼い頃から闘い続けている。
体中の筋肉が骨となり硬化してゆく難病
日本でも国指定の難病に認定されている進行性骨化性線維異形成症(しんこうせいこつかせいせんいいけいせいしょう)。FOPと呼ばれるこの病気は非常にまれな遺伝子疾患である。
筋肉や腱(けん)、靭帯が骨組織に変化して硬化してゆく病気で、それにより関節が固定されて動かすことができなくなってしまう。
筋肉組織が骨化することで内部組織もつぶされ、患者の多くは30歳までに身体を動かすことができなくなり、40歳以上生きられる人は少ない治療不可能の病気だとも言われている。
生まれた時からあったFOPの症状
最初にその兆候がみられたのは出生直後だった。彼女たちの足の親指に小さな骨のしこりがあったのだ。
当時は気にも留めなかったが、その後もさまざまな異変があった。
ゾイが5歳のとき、ソファから落ちてひじを骨折した。ギプスが外れたあと、ひじを伸ばそうとしても痛みで伸ばすことができなかったという。そう、これはFOPの症状でひじの関節が骨に変わり硬化していったのだった。
その後も、怪我をするたびにその部位の関節が固まり、体を自由に動かすことが困難になっていった。そして姉妹は8歳のときにFOPとの診断を医師から受けた。
家族を持ちたいと願う姉妹は常に前向きに生きる
しかし彼女たちは難病に苦しみながらも自分たちの幸せをつかもうとしている。
脚を骨折したゾイは歩行時には杖か車椅子を必要とする。現在、夫との間に子供を考えているが、FOPは遺伝子疾患のため50%の確率で生まれくる子供に遺伝する可能性があることを懸念している。
ルーシーにも結婚を考えたフィアンセがいる。彼女は遺伝子疾患を恐れ、自身の子供は望まず養子を迎えることを視野にいれている。
病気でのせいで私たちの人生をストップさせたくないの。未来にむけて私たちは常に前向きよ。
こう話す2人は、骨が体を占拠していく感覚を幼少期ほど感じないという。そして、ロンドンで新しく処方される薬が彼女たちの病気の治療に効果があると聞き、新たな期待を寄せている。