楽しく故人を送り出す!ガーナのダンシング葬式
葬式と言うと、我々日本人の間では、静かに故人を送り出す儀式というイメージがある。しかし、文化や宗教が違えば葬儀のとらえ方も180度変わってくる。
西アフリカに位置するガーナ共和国では、なんと踊りまくる陽気なお葬式が、最近のトレンドらしい!
黒服を着た棺を担ぐ男性たちは「ポールベアラー」と呼ばれる人々だ。彼らは納棺だけではなく、悲しみに暮れる遺族たちのためのダンサーでもある。
前方に指揮をする男性が一人おり、棺の前後には、各2人配置されている。現代的な音楽に合わせ、ステップを踏んだり、しゃがんだり、複雑な動きのダンスをする。とても重そうな棺であるというのに、決して落とすことはない。
ダンスからは遺族への慰めだけではなく、故人へと愛情や感謝といった気持ちが伝わってくる。
このビジネスを始めたベンジャミン・アイドゥーさんによると、現在ダンサーを100人以上雇っており、性別を問わず採用しているのだという。
厳しいダンスの練習はもちろんのこと、服装には特に多額の資金をかけており、より感動的な体験を与えられるように心がけているという。一生に一度の大切な式のため、彼らはこだわりをもってパフォーマンスを披露しているのだ。
バシッと決まった黒スーツのダンサーたちによって、棺の白さが際立ち、とても美しい!
ダンサーたちもサングラスを付けて、あくまで裏方に徹しているスタイルからもプロ意識を感じる。
ベンジャミンさんは更に、葬儀の流れについてこのように語っている。
お客さんが来ましたら、厳かな雰囲気でやるか、たくさんの人に見せるか、もしくは他に何か入れてほしい振付があるか・・・を質問して、どんな振付を加えるか決定します。ご要望を伺って、私たちはそれにしっかり応えます。
型にはまったものではなく、遺族との相談の上ダンスの内容が決定される、とても遺族思いなサービスだ。
こちらの葬儀の動画では、楽団の生演奏に合わせて踊っており、ダンスの種類も先ほどの動画とは異なるものとなっている。
新しい形式のお葬式とはいえ、反対されることなく、すでに浸透しているようだ。
これだけ盛大に行われれば、故人もきっと満足していることだろう。もしかしたら、故人の魂もどこかで一緒に踊っているかもしれない。
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いかがだっただろうか。
お葬式は故人を愛する人同士が集まり、新しい絆が生まれる場でもある。大切な人が亡くなると悲しいものだが、こうした楽しいお葬式にすることで、心に残るものとなるに違いない。
厳かに執り行い故人を偲ぶのもいいが、このダンシング葬式のように笑顔で「ありがとう」を伝える場にするのもいいだろう。
みなさんも形式にとらわれず、故人に喜んでもらえるような最高のお葬式を考えてみてはいかがだろうか。