美しい景観が臨めるビーチ沿いに黒人の物売りが至るところに歩いている。
ここはイビサ島。リゾート地として有名なスペインにあるパーティーピーポーと呼ばれる乱痴気騒ぎ好きがこぞって訪れる場所だ。ここでは、クラブで泡まみれになる「泡パーティー」など派手なイベントが行われている。
筆者はこの度ここで、信じられないようなドラッグ事情を垣間見たので紹介したいと思う。
違法薬物が蔓延するイビサ島!
燦々と輝く太陽、青い海にヌーディスト、、
リゾート地として有名なイビサ島は、パーティーピーポーの聖地だ。
21時過ぎまで日が沈まないこの場所では、至るところでパーティーが行われている。
「なぜそんなに長時間はしゃげるのか?」
筆者はその秘密に迫るべくここに訪れた。するとこの島のヤバすぎる実情を知ることとなったのだ。
大迫力のパーティーが繰り広げられるプールでの出来事
事前情報のない筆者は、まずイビサ島で有名といわれるプールパーティーに潜入することにした。
すごい!人、人、人…。大量の欧米人たちが踊り狂っているではないか。
これにはかなり圧倒され、筆者は隅っこの方でポツンと居座ることになった。
人が密集したフロアから離れ、600円ほどする水を片手に眺めること小1時間。
呆然と立ち尽くしている筆者めがけてセクシーな金髪女性が近づいて来たのだ。
そして彼女は筆者に寄り添い、騒音の中で聞こえるよう耳元でこう囁いた。
「ライター貸してくれない?」
あぁ、そういうことか…。
おぉ、逆ナンパか!?と期待していた分落ち込みがあったが、美人と交流がもてたので良し。
しかしその後、女性からの好反応はなし。いやいやそういうことの為に来たのではない、、
こんな調子じゃ埒が明かない。そう思った瞬間、超フレンドリーな奴が筆者に声をかけてきた!
「日本の男は子どもに見えるし、体格的にセクシーさが足りないからモテないぜ」
「まぁでもここの島じゃ、アバズレ(色情魔の女)もいるから襲われるかもな HAHAHA」
なんて気さくな奴だ。よくみると俳優のユアン・マクレガーに激似。ここでは「ユアン」と呼ぶことにする。
筆者を変わった日本人だと興味をもってくれたようでしばし会話し、仲良くなることに成功した。
これでこの島の情報を得ることができる!このとき筆者の目は輝いていたに違いない。
早速、本題となる「イビサ島にいる連中はなぜこんなに騒ぎ続けられるのか」を聞いてみた。
その返事は衝撃的なものだった。
ユアン「もちろんパーティーグッズを用意してるからさ!」
筆者「パーティーグッズ???」
ユアン「え?そんなことも知らないのか?ドラッグだよ、ドラッグ。もしかしてお前はシラフなのか?(爆笑)」
筆者「・・・。」
なんと、やはりこの島にいる人々の間では薬物が慣用的に使われているようだ。
詳しく知りたいとユアンに聞くと、売ってる奴を知っているというのだ。
蛮勇だが怖いもの見たさでその場所へと付いていくことに、、
近くの美しいビーチ沿いで堂々と行われる違法取引
どこか遠くに行くのかと思いきや、プールから出てすぐのビーチでユアンは口を開いた。
「ここだよ!」
え、、?驚くほどに近い。拍子が抜けるのはこのことかと思ってしまうくらいに近い。
なんてったって今いる場所は、パーティーが行われているプールを出てすぐのビーチなのだ。
しかも人通りもめっちゃ多いし、子供連れの家族もチラホラ。眼前には美しいオーシャンビューが広がる。
こんなところで違法薬物が取引されている!?信じられない。
ユアン、もしやお前は無知な俺をからかっているのではないのか?
こんな不安も束の間、筆者は取引現場を目撃することとなった。
警察官の前だろうがお構いなしに展開される犯罪行為!
20代前半だろうか、青年が挙動不審な動きをしつつビーチをうろついていた。
しばらく眺めていると、彼は黒人の物売りへと近づいていき何やら話し始めた。
黒人と青年は、幾度か指を見せ合い(パーにしたりチョキにしたり)頷いたかと思うと青年はお金を手渡し、黒人から何かを受け取り颯爽と去っていった。
既視感のある光景。まるでいつか映画で見たワンシーンではないか。
こんな危なすぎる行為が放置されたままなのか!と辺りを見回すと警察犬を1匹連れた警察官が3人。
なんと警察官の目前で堂々と犯罪行為が行われていたのだ。警察犬も知らんぷり状態、、
マジかよ…。
そんな一連の信じられない光景に唖然としていた筆者にユアンはこう告げた。
「あの手の動きは値段交渉だ。ここで売ってるドラッグはかなり安いけど質がそんなに良くないんだよな」
びっくりしないのかよ!質ってなんだよ!安いとかあるのかよ!
筆者はこう思わざるを得なかったが、もう少し詳しく話を聞いてみた。
イビサ島では、
・ビールが約1300円(10ユーロ)
・手の込んだカクテルだと約2600円(20ユーロ)
・薬物だと約1300円(10ユーロ)しかも長時間、アルコール以上の酩酊状態と多幸感が味わえる
このためお酒よりも薬物の方がコスパが良く、若者にはよく乱用されるという。
続けて彼は「ただアレをすると、ホント誰のことでも超可愛く見えるし、セックスが気持ちいいだよな」と言っていた。
コイツめっちゃ薬物好きじゃん。怖ぇよー。(ここで怯えては情報から遠ざかることになる。しばし付き合わなくては…)
この島で人々があらゆる欲を増大させてしまう原因は、実は薬物にあるのかもしれないと強く感じた瞬間だった。
これがイビサ島にくる人々の一つの声だとすると、筆者の想像を大きく越えた常識を覆すような文化がここでは展開されていそうだ。
非日常的であまりに衝撃的だったため、興奮しすぎた筆者は一服して落ち着くことにした。
しかし、ここで小さな問題が生じる。手持ちのライターを金髪女性に貸したまま返してもらうのを忘れていたのだ。
そのため新しいものを買いに行かなければならなかった。
ドラッグに関するものがこんな身近に…
めんどくささを感じながら少し歩いているとセブンイレブンのようなコンビニがあったので、そこに入ることにした。
筆者がレジ前においてあるライターを手に取り、会計しようとすると店員が突然こう言った。
「これは普通のライターじゃないけどいいのかい?」
なんだそれ!?よく分からんが、普通じゃないなんて気になる。
ということで買ってみた。
一見すると普通のライター、だが火がつかない。
実は、、
底が開いて中が空洞になっており、そこに薬物を隠すための入れ物だったのだ。
なんて物騒なアイテムなんだ!!!
コンビニでこんなものが売っているなんて、恐ろしすぎるぞイビサ島!!
結局、火がつくライターを再度購入することになった。
この後も薬物の身近さを感じる出来事が、、
後日、プリヴィレッジという世界最大級のクラブとしてギネス世界記録にも認定されている場所へと向かった。
そこではハウスやテクノといった電子音楽が爆音で流れ、プールパーティーとはまた一味違った形相で人々が踊り狂っていた。
もう驚くことはかったが、この場所でも薬物の名前を唱えながら売り歩く輩が数人いた。
うろ覚えなのだが「コケイン、エクスタシー、ウィー、エムディー、エイシッド…」などの単語がそのとき発せられていたと思う。
ここでは、ユアンが友だちを3人紹介してくれた。
突然、その中の一人の超絶可愛い子が出会い頭に熱烈なハグ!!!
「うぉー、最高!!」
なんて思っていると、急に強引なキスをして舌をねじ込んでくるではないか。
そして舌の柔らかさ以外に、異物が筆者の唇に押し付けられている。
不審に思い彼女を引き剥がすと、おふざけのように笑いながら口からラムネのようなものを取り出した。
なんとウブな筆者を本場のパーティーピーポーにしようとユアンが頼んでいたようで、彼女はノリノリでカラフルな薬物を筆者の口に入れようとしていたようだ。
「初体験、奪いたかったのにー」
すごいありがた迷惑だ。しかし、彼女に悪びれる様子は一切なく、ここではこれが普通なのだと痛感させられた。
またもイビサ島の洗礼を受けた筆者は、もう戦意喪失。本場のパーティーピーポーに圧倒されあえなくホテルへと帰ることとなった。
実はこうだったイビサ島のドラッグ事情
あまりにも普通すぎて気にしていなかったのだが、イビサ島を歩いているとたびたび大麻タバコの匂いがした。
箱のタバコが高額なこの国では、巻きタバコが主流である。そしてその中に大麻を混ぜ喫煙する人が多いようだ。
ほんと、どこからともなく漂ってくるんだよな。あの独特な香り。
帰国してから調査したのだが、先ほど紹介したプリヴィレッジの件で、超絶可愛い子に飲まされそうになった薬は合成麻薬MDMAのようだ。ヨーロッパでも多くの人々が乱用しており若者のトレンドらしい。
サイズが小さい麻薬なため、船に乗り地中海からイビサ島へと多く運ばれてきているという。
イビサ島において薬物の販売は違法だが、自宅などの私的な場でのドラッグの個人使用と個人使用分を所持することは認められている面があるようだ。
そういったこともあり、この島には多くの薬物が違法で販売され、法的にグレーな状態で所持および使用する人々が後を絶たない。
なるほど、だからこその蔓延か。
本当にこの島では、多くのドラッグが出回っている。旅行客が容易に手に入れることも可能だ。
しかし、たとえ大麻や麻薬が合法な地域で使用したとしても、日本人は日本の法律に基づいて処罰されることになるので手を出さないようくれぐれも注意して欲しい。
開放的で自由な雰囲気を持ったイビサ島は素晴らしい場所である。しかし、いくら開放的だからといってついつい場の空気に流されると取りかえしのつかないことになる。
何度も言うがこの島のパーティーピーポーたちの間では、薬物は想像以上にラフに使用されている。
郷に入らば郷に従えとはいったものだが、我々日本人には越えてはいけない一線があるのだと肝に銘じていてほしい。