「視覚錯視」の世界
突然ですが、さて、問題です。
この中に、丸はいくつ隠れているでしょうか?
すぐに分かる人は少ないのではないだろうか。ちなみに私(吉川ばんび)も、数十秒かけてようやく丸を見つけることができた。
この画像はコファ・イリュージョンといい、心理学者のアンソニー・ノルシアさんによって作られた。これは、「視覚錯視」を利用した作品である。
「視覚錯視」。こう聞くと難しいもののように思えるが、要は「錯覚」のことである。
錯覚といえば、私(吉川ばんび)は夜道に落ちているビニール袋がネコに見えたりして、「かわいいね~」と言いながら近づいたところを通りがかった人から警戒されることがよくあるが、要するに、まぁ、そういう感じのことです。夜道でビニール袋を愛でている女に出くわしたら、多分私か変な人なので逃げてください。
私たちの脳は、目から入った映像をカメラのようにそのまま伝達するのではなく、その映像を処理して、何が起こっているのかを判断しているそうなのだ。
そのため、脳は「過去に自分が経験したものごと」についつい引っ張られて、実際に見ている映像に近い情報を予測して処理してしまうこともしばしばあるようだ。これが「錯覚」、と呼ばれる現象である。
しかし、さらに注意深く見てみると、画像の中に丸があることを発見できるのだ。
ほとんどの人は、この画像を見た瞬間に「長方形」を意識すると思う。
私たちは日常の環境において、「丸」よりも「長方形」を見る機会のほうが圧倒的に多い。そのため、脳はこの画像が「長方形」であると推測して情報を優先させている、というわけだ。
たしかに、言われてみればドアとかフローリングとか、身の回りには丸よりも長方形のものが多い気がする!
ちなみに、どうしてもわからない人のために書いておくと、丸の数の正解は16個だそうだ。
↑ここ!
いかがだっただろうか。
もし「すぐに丸が見つかった!」という人がいれば、それは脳が柔軟な証拠かもしれない。
ぜひ友達と画像を見せ合って、「どちらが早く丸を見つけられるか」を競い合って楽しんでみてはどうだろうか。
許諾元:Anthony Norcia