増加し続けるタコ、そしてその謎すぎる遺伝子情報
みなさんご存知のタコ。実はこのタコについて注目すべき2つの事実が発表された。
まず最初に、タコやイカに代表される頭足類が、ここ60年間増加し続けているというのだ。これは驚くべき事実である。
何故かというと、現在大気中の二酸化炭素が増加し、それが海水と混ざることによって、海中の酸性化が進んで、生態系へ影響を及ぼしているという懸念があるからだ。
なぜ酸性化すると生態系に影響が出るのか、それは海中が酸性化することによって、貝類や、カニ、エビなどの甲殻類の殻からカルシウムが溶け出すことになる。
そうすると成長自体が遅くなり、貝類や甲殻類を餌とする魚も食べ物が無く、数が減少してしまうという負のスパイラルにはいってしまうそうだ。
そういった海中の状況があるにもかかわらず、増え続けるタコ。ある研究者は、タコには環境の変化に対応する力が高いのではないかと言う。現にタコは、その8本の触手でモノを器用に操り、迷路なども考えて出口を探すことができるなど、他の無脊椎動物にはない知能があると言われている。
その知能によって、環境への変化に柔軟に対応し、年々増加しているのであろうか。
そしてもう一つの事実、タコの遺伝子情報(ゲノム)は、他のどの種とも違い、まるで地球内の動物でないほどにとても特殊なものだというのだ。
これは世界で初めてタコの全てのゲノム解読に成功したシカゴ大学と沖縄大学が発表したものだ。
ゲノムとはDNAに含まれる、すべての遺伝子情報のこと。しかもタコは、その遺伝子情報の配列も自由に再構成できるのだとか。
学者の中には、タコが地球外からきた生物、つまりエイリアンではないか?という声まできかれるそうだ。まぁ、これは冗談の域をでない意見としても、実際にタコの遺伝子情報はかなり特殊であることは間違いなさそうだ。
この2つの事実から考えると、未来の海を支配するのがタコかもしれないと思えてくるのである。
参照元:arstechnica、higherperspectives、Wikipedia[1][2]