女性被害が続出する酸攻撃
「アシッドアタック」という言葉を聞いたことがあるだろうか。別名、酸攻撃と言われるもので、酸を浴びせられることによって被害者は外見にも精神的にも大きな苦痛を味わうのである。最悪の場合、死に至るケースもある。
東南アジアや中東アジアなど、特に男性優位の地域で起こりやすい、いわゆるドメスティックバイオレンス。世界中から毎年1500件あまりのアシッドアタックが報告されているが、いまだその被害者の数は減ることはない。
そんな酸攻撃の被害にあった1人の美しい女性が立ち上がり、その勇気に賞賛の声があがっている。
モデルが酸攻撃の被害にあった苦悩を告白!
事件が起きたのは今から約2ヵ月前の6月21日。端正な顔立ちのライシュムさん(21歳)が酸攻撃の被害者となった。
イスラム教徒でモデルとして活動していたライシュムさんはロンドン郊外で自身の21歳の誕生日を祝っていた。そして従兄弟と一緒に車に乗り込んだところ、窓の外から何者かによって酸攻撃を受けたのである。
被害を受けた直後の写真はgofundmeのサイトに掲載しているが、目は開かず皮膚がただれている。幸いにも命はとりとめたが、ライシュムさんは顔や体に大きな被害を受けた。当時のブログには心境をこう綴っている。
「自分の人生はそこで時がとまったの。もう終わりだと思った。外へ出ることも怖くて、ただただ凍りついてたの。」
奇跡の回復を遂げた姿に賞賛の声!
そして9月2日、事件後はじめて、彼女が自身の姿をSNSで公開したのである。その姿にネット上では驚きの声があがっている。
酸攻撃の跡を感じさせないほど美しく自信に満ちた姿ではないか。
「完全に元通りではないわ。でも友達と会ったり、外へ出ることができるようになったの!」
ライシュムさんが現在の姿を公開したことにより、「回復してよかった!」「酸攻撃は許せない!」「あなたほど綺麗な人はいないわ!」などと酸攻撃に対する怒りの声や彼女の勇気ある行動に世界中から賞賛の声があがっている。
Makeup is about balance. When the eye makes a statement, the lips should be quiet.
#SheDreamsAgain ket.to/freedomtosheroes
いまだ減ることのない酸攻撃。Stop Acid Attacks(酸攻撃を阻止せよ!)という団体まで発足し被害者たちを支援し続けている。身勝手な理由で他人の人生を台無しにしてしまう酸攻撃は許しがたい行為である。しかし、その傷を一生負って生きていく女性たちが多く存在しているのは悲しいが現実なのだ。
今回の事件の犯人でもあるトムリン被告(25歳)は9月19日に出廷する予定である。ライシュムさんの行動がメディアに大きく取り上げられたことにより、注目を浴びる裁判になることは間違いないだろう。