心温まるあの名作が金曜ロードSHOW!で放送決定!
2017年9月22日21時からの金曜ロードSHOW!で「崖の上のポニョ」が放送される。
『崖の上のポニョ』は、さかなの子であるポニョが「宗介(人間の少年)に会いたい…」そんな一途な思いが巻き起こす大騒動を描いた冒険ファンタジーだ。世代を問わず愛される同作品は、一度観ると終わりまで目が離せなくなり、最後に胸にグッとくる素敵なものである。
そんな『崖の上のポニョ』の厳選した豆知識8つを紹介しようと思う。
1、初期の構想時、ポニョはカエルとして描かれる予定だった
構想段階の時の話では「ポニョ」はカエルのキャラクターとして考えられていた。しかし宮崎駿監督はそれをおもしろくないと思い始め、金魚のほうがポピュラーだろうと金魚がモチーフになったようだ。
2、構想が曲折し、保育園を設立するに至る、、
元々『崖の上のポニョ』は『崖の上のいやいやえん』というタイトルで構想されていたという。中川季枝子『いやいやえん』をモチーフにした保育園の話を考えていたためだ。しかし、宮崎駿監督があまりにも保育園に興味を持ったため、社内用施設に本物の保育園を作ることになり「いやいやえんモチーフ案」は中止となったようだ。
3、広島県にある鞆の浦(とものうら)が舞台
ココだ!と明言されていないが、鞆の浦が舞台だとかなり有力視されている。2005年に宮崎駿監督が長期滞在して次回作である映画の構想を練った場所として知られている。作中では「トモバス」(鞆の浦バス)という言葉が出てきたり、鞆の浦の街から仙酔島への風景と同じアングルに似た景色が描かれている。
公式サイトでは、「作品の舞台はどこですか?」という質問に対しこう述べられている。
スタジオジブリ作品のうち、ここが舞台です、と公式に表明できる作品は多くありません。様々な地域が部分的に取り入れられている作品がほとんどです。さらに、言うまでもないことですが、映画の中には完全な創作で場面が設定されているシーンも、もちろんあります。だから、実際に訪ねられても全く同じ風景に出会うことはないと思います。
4、水魚の声は所ジョージが演じている
ポニョの父、フジモトの声を所ジョージが演じている。そしてフジモトが生み出す水魚の発する声も、兼任して演じているようだ。
5、素人だからという理由で主題歌に「藤岡藤巻と大橋のぞみ」を抜擢!
作曲家の久石譲は「藤岡藤巻と大橋のぞみ」の起用に対し信じられなかったという。プロでもない人を起用する際の問題点を危惧していたようだ。しかし、「子供たちが幼稚園で歌ったりできる曲」ということで考えたメロディーであることから、一般の代表者、つまり誰でも歌えるというコンセプトと理解することにしたという。
6、ラーメンの具材のネギは元々ホウレン草の予定だった
あまり知られてはいないのだが、宮崎駿監督は食の描写に対しこだわりが強い。『千と千尋の神隠し』然り、『風立ちぬ』など多くの作品にもその意図は顕著だ。
『崖の上のポニョ』ではハムやラーメンがかなり美味しそうに描かれており印象的だ。
ジブリ公式ブログによると、宮崎駿監督は、ほうれん草がのったラーメンが好きらしい。しかしアニメーションではうまく描くことができなかったため、一般的なトッピングであるネギに変更することとなったようだ。
7、物語のエンディングは『人魚姫』に影響されている
宮崎駿監督は、9歳のときに読んだ『人魚姫』のエンディングで、人魚姫が魂がないから泡になってしまうことに納得できなかったようだ。
人魚と人間の恋物語、つまり異類婚姻譚(いるいこんいんたん)については西洋よりも日本の方が自然に受け入れる精神的な伝統をもっていると考えていた。
そのため『人魚姫』とは異なり、『崖の上のポニョ』ではハッピーエンドにしようと思ったのだという。「これがハッピーエンドかどうかは見る人によって違うと思う。」といった意味深なコメントも残している。
8、小トトロが開始27分頃に登場!
ジブリの名作『となりのトトロ』に登場する小トトロがこっそり『崖の上のポニョ』に出演している!
開始27分ごろの冷蔵庫あたりを注視していてほしい。ちょっぴりではあるが登場しているぞ。
隅々まで手の込んだジブリ作品は見飽きない!
いかがだっただろうか。上記のように、作品に関して知られざるポイントや制作秘話を知れば、より面白く『崖の上のポニョ』を鑑賞できるのではないだろうか。
ジブリ作品は世代を問わず楽しめるよう隅々まで手が込んでいる。なので数年経ってから、また見直すと新たな発見があり違った楽しみ方もできるのだ。
純粋無垢に鑑賞することもできれば、強いメッセージ性から都市伝説的ストーリーを類推して楽しむこともできる。なんて素晴らしいのだろう。
読者の皆様も9月22日21時から金曜ロードSHOW!で、放送を是非楽しんで欲しい!
最後に、記事執筆のため『崖の上のポニョ』を観込んだ筆者の感想を記して筆を置くことにする。
「リサの運転荒すぎる!!」
参照元:ORICON STYLE、「ポニョはこうして生まれた。 ~宮崎駿の思考過程~」、「崖の上のポニョ 徳間アニメ絵本30」、ともてつバスセンター