真っ赤に染まる海とクジラの死骸
11月8日、衝撃的な画像がTwitterに投稿された。
Year after year, the residents of #Faroe Islands, Denmark, gather to slaughter Whales. To wade in their blood. They call it tradition. But not all traditions are good. Slavery used to be a tradition too. pic.twitter.com/MORPIlGXNH
— Daniel Schneider (@BiologistDan) 2017年11月8日
生物学者のダニエル・シュナイダー氏によるもので、こう書かれている。
毎年、デンマークのフェロー諸島の住民がクジラを虐殺するために集まる。血の海を歩くことを彼らは伝統と呼ぶ。しかし奴隷制度が伝統であったように、すべての伝統が良いわけではない。
彼のメッセージをあなたはどうとらえるだろうか・・・。
何百年も前から伝わる北欧伝統「クジラ追い込み漁」
この画像が撮影されたのは、欧州に浮かぶ島、デンマーク領のフェロー諸島である。
そして、この残虐な光景の背景にあったのは、北欧で数百年の伝統を持つ「クジラ追い込み漁」だったのである。
この「grindadrap(グリンド)」と呼ばれるフェロー諸島のクジラ漁は、毎年5月から10月にかけて行われる。クジラが餌を求めてこの海域にやってきたところを、漁船で追い込む。そして、少しでもクジラの苦痛を減らすために、脊髄の部分を一瞬にして切断する「脊髄切断法」という手法を用いているのである。
クジラの肉はその場で解体され、地元住民に平等に分配される。そのため、村人の多くが、この「クジラ追い込み漁」に参加するという。
この漁の手法は「伝統文化」なのか、それとも「野蛮な残虐行為」なのか、長年、賛否が問われている。
日本のイルカ追い込み漁と似た背景があった・・・
ここ日本でも、和歌山県太地町のイルカ追い込み漁が、伝統文化として、今なお引き継がれているのはご存知だろう。そして、この手法に対し、反捕鯨団体「シー・シェパード」などの圧力も高まっている。
そんな太地町とフェロー諸島の町クラクスビークとの間で、近く、姉妹都市提携が結ばれる予定だという。両自治体は、ともに食料や資源に乏しく、昔から海洋生物資源に依存してきた文化があったようだ。
様々な意見が飛び交う「クジラ追い込み漁」について、あなたは伝統的文化と考えるだろうか、それとも野蛮な残虐行為だと考えるだろうか。