コンビニに行くと、レジで”肉まん”を売っていた。
日本人なら皆知っていると思うが、もしかしたら、この中に肉まんを知らない外国の方もいることだろう。
そんな方のために、肉まんとは、そもそもどういうものなのかを説明する。
血気盛んな豚を、力一杯に振り上げた鉈で「これでもか」と形がなくなるほどずたずたに叩き殺す。その血が滴る肉の塊を、100万年生きたと言われる魔女の杖を使い丁寧に挽き、それを閻魔も熱がると噂の地獄の業火で焦げ目がつくまで炙る。
最後に、雌のカッパの皿を削って取った粉を生地にして包んだ、冬には欠かせない悪魔の食べ物のことである。
本格的な冬到来ということもあり、外はとても寒かったので、是非ともそんな温かい肉まんを食べようと、俺は会計の際に「あ、あと肉まんもください」と店員に告げた。
そのときはまったく気づかなかったのだが、家に帰り袋を開けるとなぜだか肉まんが2個入っていた。
「1個買うと、もうひとつオマケみたいなことをやっているのかしら」とそのときは納得をしたのだが、後ほどレシートを見てみると、しっかりと肉まん2個分の料金を取られていた。
これがアメリカであればすぐさま「ミートメン、ワンがツー!」と裁判沙汰になることだろうが、ここは親切の国・日本である。
俺が思うに、きっと「こいつ臭せぇし、デブだし、ワンパクそうだから2個食うだろう」という店員の親切心からであろう。とてもありがたい限りだ。
セブンだかイレブンだかよく知らないが、よくできた店員である。
その後、この話を友達にしたところ、「肉まんと言ったつもりが、店員には2個まんに聞こえたのではないか」という説を唱えられたのだが、そもそも2個まんとはなんだ。
結局、真実はわからず終い、迷宮入りである。
この記事を読んだ方の中に「俺にはこの謎が解ける」というコナンくんか金田一少年がいましたら、是非ともこの真実を教えてくだされば嬉しい。