息絶えた犬の死因は「傷心」
コロンビアの空港で一匹の犬がさまよっていた。
日に日に衰弱していったこの犬を、獣医が保護した時はすでに手遅れだった。動物病院に運ばれて、48時間も経過しないうちに、息絶えてしまったのである。
死因は傷心だった。
NUBE VIAJERA.
La depresion y la tristeza de los animales. Un estado que pueden explicar especialistas.
Nos proyectan…
保護された際に、 獣医によって「旅する雲」と名付けられたこの犬は、空港で徘徊しているのを多くの空港スタッフに目撃されていた。
飼い主を捜し求めていたのだろう。旅客をついて回って匂いを嗅いだりしていたが、飼い主が現れることはなかった。
はじめは食べ物を口にしていたものの、そのうち食事や水を与えようとしても拒否したり、角に座り込んでそこから動かなくなってしまった。ついに立ち上がることすらできなくなり、空港スタッフが獣医を呼び寄せたのだという。
動物は捨てられたショックで死ぬこともある
治療にあたった獣医はこう話す。
動物は飼い主に捨てられ、悲しみや落ち込みなどからくる傷心が原因で命を落とすこともあるんです。彼女の場合はまだ2歳で持病も持っていませんでした。ひどい失望以外には・・・。
首輪はついていなかったが、飼い犬だったことを証明することは簡単だという。
野良犬は強い生存本能を持ち合わせているため、傷心に陥ることなく、ひとつの場所から違う場所へ移動することが容易なのだ。
しかし、「旅する雲」は空港を離れることなく、旅客の匂いを嗅ぎ続けていた、まるで誰かを探しているかのように。これが飼い犬の特徴なのだ。
動物にも感情があるのは当然のことである。それを十分に理解し、最後まで責任を持つことは、私たちが最低限守らなければならないことなのではないだろうか。