命を削り、苦しみながら子どもを出産したにも関わらず、自分が子どもを産んだことさえ忘れてしまうという悲しい事件が起こった。
無事出産するものの、68分間の心停止
英サウス・ウェールズのグウェントに住むシャノン・エヴェレットさん(22歳)は婚約者ヨアンさんとの間に、娘ミカちゃんを授かり、3人で幸せに暮らしていたという。
Mum, 22, who 'died' for 68 minutes giving birth woke from coma believing she was 13 with no memory of fiancé or children https://t.co/EOV6TBgLsy pic.twitter.com/OGl10Cqu5Y
— Daily Mirror (@DailyMirror) 2017年11月25日
その後、第二子を望んでいたシャノンさんとヨアンさんは、4度の流産を乗り越え、無事に妊娠した。
だが悲しいことに、のちにシャノンさんは、羊水が血中へ流入することによって肺高血圧症と呼吸循環障害を引き起こす「羊水塞栓症」になっていることが判明するのだ。
ある日シャノンさんが、母のニコラさん、婚約者ヨアンさんとともに病院に来院したとき、子宮口がすでに2cm開いていることが発覚、出産の準備に取りかかることとなった。
そして迎えた翌日だったが、シャノンさんは、夜中に突然容態が悪化。無事赤ちゃんは医師の手で取り上げられたのだが、シャノンさんは意識不明となり、なんと68分間にもおよぶ心停止を起こしたのだ。
医師たちの奮闘によって、彼女は一命をとりとめたものの、脳出血を起こしていたために昏睡状態がつづいていた。
記憶喪失を起こし、13歳の少女に戻ってしまった!
シャノンさんが昏睡状態から目を覚ましたとき、きっと彼女を知る誰もが安心したことだろう。しかし、その喜びもつかの間だった。目覚めて見ると、なんと彼女は記憶障害を起こしていることが発覚したのである!
自分が妊娠、出産をしたこと、婚約者のヨアンさんや娘のミカさんのことまで忘れていた。
彼女は、母ニコラさんのことを「マミー」と呼び、自宅の住所を尋ねると自分が13歳の時に家族で暮らしていた住所を答えるそうだ。
そう、彼女の記憶は13歳のときのまま、止まってしまったと言うのである!
現在は両親が住む実家に戻り、病院で食事の仕方や歩き方など基本的な生活ができるような理学療法を受けているものの、記憶の大半はまだ戻らぬままだという。
一番辛い思いをしているのは婚約者のヨアンさんかもしれない。
自分のことを思い出せない婚約者を、娘たちと共に信じて待っているのだ。ニコラさんが、他の人のもとへ行ってもいいと言っても、「僕はシャノンを愛しているし、今も結婚したいと思っている」と返事をしたそう。
一刻も早くシャノンさんの記憶が戻り、この4人家族となったこの一家に幸せな日々が舞い戻ることを願う。