インドネシア、ジャワ島のイジェン火山で見られる世界最大級の青い炎
この青い炎は、インドネシア、ジャワ島にあるイジェン山で見られる、世界的にも稀な炎だ。
一体なにが燃えているのだろうか。
その正体は硫黄だ。
イジェン山の山頂には、直径772mにも及ぶカルデラ湖がある。この湖は、世界最大の高酸性火口湖であり、pH(ペーハー)は0.5。
pHとは、7を中心に小さければ小さいほど酸性が強く、大きければアルカリ性を表す指数。覚えてますか?リトマス試験紙の実験。
ちなみに、酸性泉として有名な草津温泉近くの白根山のカルデラ湖、湯釜でさえpH1.2前後と言われているので、イジェン山のカルデラ湖がどれほど強酸性なのかがわかる。青色のリトマス試験紙も真っ赤になっちゃうワケである。
そして、酸性湖では独特の匂いが立ち込めている。そう、硫黄の匂いだ。
イジェン山は、世界屈指の硫黄採掘場として有名で、カルデラ湖の岸壁にある亀裂から、ガスとなった硫黄が大量に吹き出し、その硫黄が青い炎となって燃えているのだ。
しかし、なぜ炎が青い色をしているのだろう。
それは硫黄が燃える温度にある。硫黄は600度という高温で燃えるため、炎が黄色や赤色ではなく青くなるのだ。
イジェン山では、ガスだけでなく、高純度の液体となった硫黄も流れ出て、その燃える様は、なんと美しいことか。まるで流れる宝石である。
地元の人達は「ブルーファイアー」と呼び、世界中からこの青い炎を一目見ようと観光客が押し寄せているそうだ。暗闇の中でサファイアのように美しく揺らめく青い炎、一度はこの目で見てみたいものである。
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