カリフォルニアを襲う山火事の恐怖
12月5日、乾燥した空気と強風が生んだアメリカ・カリフォルニア州の森林火災は、依然激しく燃え広がっている。北西部のベンチュラ郡では10万人に避難命令が出され、すでに100軒以上の住宅が被害を受けている状況だ。
発生の原因の一つに「風」が挙げられている。
アメリカ海洋大気庁によると、この時期、カリフォルニア内陸部の砂漠地帯から沿岸部にかけて吹くからっ風「サンタ・アナの風」が吹くのだという。今回は山岳地帯で発生した火事が煽られ、丘陵地帯にまで急速に延焼しているのだ。
同庁は「今週いっぱいは強風が続く可能性がある」とアナウンスしており、引き続き警戒を呼び掛けている。
当記事では、この山火事の恐ろしさを物語る映像の数々を紹介しようと思う。
宇宙からみた火災の筋
Burn scars and active fires in Ventura County, CA are visible in this false-color view created using data from @ESA’s Sentinel-2 satellite on Dec. 5. Active fires appear orange, while burn scars are brown. Find out more: https://t.co/MXKj2lLIPi pic.twitter.com/g7OHGAvqTd
— NASA (@NASA) 2017年12月7日
この画像は7日にNASAが公開した衛星写真の様子である。激しく燃え広がる火の筋がオレンジ色に見えている。
影を作る程の高度まで煙が立ち上っている。火災発生からわずか3日で、茶色の部分すべてを焼き払っていったというのだ。
この区域にどれほどの人々が暮らしていたのだろうか・・・どうか無事であってほしい。
高速道路ギリギリまで差し迫る火
この映像は、12月6日の現地時間5時30分ごろに撮影されたものだ。撮影者は出勤時に沿岸部方面へ向かう高速道路に乗っていたというが、目の前にはこのような光景が広がっていた。
丘からは火の手が差し迫り、左車線は通行止めになっているようだ。動画の2分16秒あたりで激しく燃えている炎が火事の勢いを感じさせる。まるで世界が終わるような光景だ・・・・。
激しい火の中で野ウサギを助けようとする男性
危機は人間だけでなく動物たちにも及んでいる。この大火災で既に野生の動物たちが多く亡くなっており、生態系のバランスが崩れる可能性が指摘されている。
この動画の男性は車で避難しようとしている最中、危機に瀕している野生のウサギを助けた。
少しでも遅れてはならないこの状況で、男性はかなり焦っているようだ。必死な様相で「おいで!」といった手振りをし、捕まえた後、優しくウサギを抱きかかえている。
この動画には「素晴らしい!」「尊敬に値する」と数多くの称賛するコメントが寄せられている。
ウサギは命を救われ、男性の心には安らぎが訪れたことだろう。
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今年のアメリカの山火事は2度目で、10月には40名の死者をだし大惨事となっている。二か月も経たないうちに再び山火事に見舞われるとは・・・どれほど恐ろしいか想像を絶する。
少しでも早く火事が止まり、事態が収束することを願うばかりである。