発想力を駆使して描き出すキューブアートに脱帽!
まずこちらの動画を見ていただこう。
この作品、任天堂の大人気ゲーム「スーパーマリオ」の主人公、マリオをルービックキューブだけを使って表現した、所謂キューブアート動画なのだ!使用されたルービックキューブの数は、なんと1009個!
キューブアートとは、ルービックキューブだけを用いて絵を描くパフォーマンスのこと。
しかも、このキューブアート動画の中に、こちら側に絵が見えている状態のキューブを、そのまま横に倒すと、また絵が現れるという場面があるのだが・・・
真っ白いルービックキューブ
ひとつひとつ組み直していくと・・・
マリオが現れた!
そのまま回転させると・・・SUPER MARIOの文字が!
つまり同時に、ルービックキューブの2つの面に絵を描き出しているのだ!天才かよ!!
この動画を作ったのは、ジャグリングを得意とするパフォーマー、シンクロニシティのラガー(末吉 正和)さんとチャチャ(佐々原 鉄宅)さん。
ジャグリングを知らない人は、お手玉を想像してみてほしい。2つの手で3つのお手玉を、投げては受け投げては受けを繰り返す。これを発展させて、お手玉をボールや箱に変え、数も5個や10個を同時に扱うのがジャグリングだ。そして、それを行う人をジャグラーと呼ぶ。
しかしジャグラーのお二人が、なぜルービックキューブを使った動画を作ったのか、疑問に思ったので、直接ラガーさんにお話しを聞いてみることにした。
--ジャグラーであるお二人が、なぜルービックキューブを使いはじめたんですか?
ラガーさん
以前から、趣味でルービックキューブを早く解く練習をしていたんですが、キューブアートを知り、自分たちのパフォーマンスに組み込みました。
--なるほど。しかし、即興性のあるライブパフォーマンスで、イチから絵を作っていくのは大変だったんじゃないですか?
ラガーさん
はい、ライブパフォーマンスで作る事のできるサイズには、時間の関係上制約がありました。そこで編集のできる、動画での制作を考えはじめたんです。さらに、絵を大きく描いたり、絵が動くアニメーションとして、面白い作品が作れないかと模索しはじめました。
--そういうワケだったんですね。ちなみに、このマリオの動画を作った経緯を教えてもらえますか?
ラガーさん
任天堂さんが、マリオ生誕30週年を記念して、マリオ関連の動画を募集されていたので制作に挑戦しました。
--どれくらいの時間がかかったんですか?
ラガーさん
実は、任天堂さんが動画を募集する、1年ほど前から構想はありました。しかし着手には、いたっていなかったんです。でも任天堂さんが募集を開始したので、1週間ほどで一気に構想をまとめて、2日間に分けて制作・撮影を行いました。
--かなり温めたネタだったんですね。撮影時間はどれくらいかかったんですか?
ラガーさん
1009個のルービックキューブを使って、8時間かけて撮影しました。
--8時間って!根気すごっ!
しかも、1009個のルービックキューブを使って、それを絵に合うように全部組み直したなんて・・・
生まれてから、一度もルービックキューブを完成させたことのない私(お松)からすると信じられない・・・
あと、この動画で、ルービックキューブの2つの面に、同時に絵を描きだしてますよね?こんなこと出来るなんて、にわかに信じられないんですけど・・・
ラガーさん
それは、相棒のチャチャの功績が大きいと思います。2面に同時に描くのはキューブのひねり方だけではなく、そもそものデザインにも大きな制約があります。
しかし、それをクリアするために、チャチャがデザイン可能か否かを見分ける独自の方法を考えだしました。これができないと、今の2面制作は不可能だとおもいます。
これが、2つの面に同時に絵を描く、驚愕のキューブアート。1面に「SYNCHRONICITY(シンクロニシティ)」そしてもう1面に「CHACHA(チャチャ) LAGER(ラガー)」を描きだしている!!
--すごい・・・すごすぎる。もう一度言っていいですか・・・天才かよ!
というわけで、ラガーさんにいろいろお聞きすることができたわけだが、シンクロニシティのテクニックはもちろん、その発想力に脱帽である。
当面の目標は、自身が運営するジャグリング・スタジオの看板を、ルービックキューブを使って制作することだとか。
今後もルービックキューブやジャグリングで、あっと驚くパフォーマンスを見せてくれるに違いないシンクロニシティ。彼らの活動はホームページで確認できるので、是非チェックしてみてほしい。
参照元:シンクロニシティHP、Youtube[1][2]
取材:お松