年末ということもあり、友人たちと忘年会という名の飲み会があった。
もしかしたら、このサイトの読者の方の中に「忘年会って何だろう?」と疑問に思う、小中学生もいることだろう。
その小学生のために忘年会とは何ぞやということを説明すると、全裸の男たちが酒を片手に、歌い、踊りあうという原始時代から行われている特別な儀式のことである。
普段、開催される飲み会はドブに2回浸かってから来たような汚い男だけしか来ないのだが、今回は”忘年会”という事もあってか女性たちも数人来ることになった。
その中の1人の女性(A子さん)が俺の隣の席だったのだが、席につくなり、ちょんちょんと肩を叩いてきたので、なんですか?と聞くと
「takaくんtakaくん、私、酔っ払うとキス魔になるんで気をつけてね!」
と言われた。
「ついにこの時がきたか」
この世に生を受け30年余り、あの『渋谷の若者に聞いた、魔のつく好きなものはなんですか?ランキング1位』と呼び声高い「キス魔」に俺もとうとう出くわした瞬間であった。
ちなみに2位は聖飢魔II、3位はピッコロ大魔王である。
そのときは、「えー、勘弁してくださいよ」とあくまで冷静を装ったのだが、内心は
「え///A子さんからチューされるの!?///」
「ま、まあA子さんのことは嫌いじゃないし///」
と、ずっとドキドキしていた。ドキドキしすぎて、大好きなカルピスサワーの味もわからぬほどだった。
しかし、そのドキドキとは裏腹にA子さんは、ローマ神話の酒神・バッカスの生まれ変わりかと思うほど、すごいペースでビールをガバガバと飲んだにも関わらず、
キスどころか酔うこともなく、まるで裁判官のように終始冷静沈着であった。
あれ、あの、キッスは・・・・
女の子って嘘つきだ。