関西弁を英語にしたら、英語アレルギーがなくなった!?
大阪生まれ大阪育ち、オモロイ奴はだいたい友達。オモロイ話もたいがい大好き。な、編集部のお松です。
いきなりですが私、英語が喋れません。もちろん英文法も分かりません。
ネイティブな発音で、英語を喋っている日本人をみると、じゃっかん引いてしまいます。つまり生粋の英語アレルギー。
しかし、そんな英語アレルギーの私(お松)が衝撃を受けた本がコチラ。
こいけぐらんじ氏によるイラストの表紙からしてインパクト大!
「なんでやねんを英語で言えますか?」って言えるわけないやん!と、ツッコミをいれたものの、しかし、しかしである。そもそも「なんでやねん」を言い表す英語など存在するのか?
そんな疑念を抱きながら本書を手に取ってみたのだが・・・めっちゃオモロイやないかいっ!
この本、「なんでやねん」を英語で言えますか? 知らんとヤバいめっちゃ使う50のフレーズ+αは、「なんでやねん」や「しょうもな」など、関西弁でよく使うフレーズにはじまり、似たような言葉でも、違う意味をもつ言葉、さらに関西独特の文化などを、どのような英語フレーズを使って表現するかが、詳しく書いてある。
こんなオモロイ本を書くのは、一体どんな人物なのであろうか。
この人が著者である川合亮平さん。
おかしい。本のイメージと一致しない。めっちゃシュッとしてるやん。
Do I look smart or what?
☞「シュッとしてる」は、「ハンサム」「洗練されている」など、場面によって意味が細かく変化しますが、要は「見栄えがいい」ということ。「~やろ?」と押しつけがましく聞いてみよう。「なんでやねん」を英語で言えますか? 知らんとヤバいめっちゃ使う50のフレーズ+α -めっちゃ使うフレーズ50-より
この男前が、こんなオモロイ本を書いたというのか。ずるいぜ神様。
それはさておき、本書では、このように、関西弁特有の言葉を、そのまま英語にしてくれているので違和感がなく、シックリくる。しかもオモロイ。
感情を込めることができる英語
例えば、これまで見てきた英語の本や教科書では・・・
「ねぇ、お茶でも飲みにいかない?」という日本語を、「shall we go for tea or coffee?」と翻訳していたわけだが、そもそも「ねぇ、お茶でも飲みにいかない?」なんて変な言い方するワケないやろ!とおもっている関西人からすると、それを英語になおした「shall we go for tea or coffee?」も言えるわけないのである。
こういったことが英語アレルギーの一因になっている場合もある。私(お松)はこのパターン。
しかし、翻訳される日本語が「なぁなぁ、ちょっと茶しばきにいこか!」に変わった瞬間、「shall we go for tea or coffee?」も自然に感情を込めて言えてしまうのである。不思議だ。
そもそも言葉は、投げかける相手に思いを伝えるものである。そして人はそれぞれ自分の言葉を持っている。それが関西弁(方言)の場合もあれば、仲間内だけで通じる若者言葉や、独特の言い回しの場合もあるだろう。
しかし、日頃自分が使わない言葉で何かを伝える、つまりコミュニケーションを取ろうとすれば、どうしても違和感を感じるものだ。
本書は、日頃から感情を表している言葉(関西弁)を、的確な英語にすることによって、英語がコミュニケーションのツールであることを、再認識させてくれる1冊なのである。
これは発明と言っていいかも知れない。It’s true.(いや、ホンマに。)
関西弁とイギリス英語のバイリンガル、川合亮平氏にインタビューしてみた
そこで著者である、シュッとしてる川合さんにインタビューしてみた!
--そもそも、関西弁を英語で表現するというアイデアは、どうやって思いついたんですか?
川合さん
担当の編集者さんに「”なんでやねん”って英語でなんて言うんですか?」と聞かれたことがキッカケでうまれたアイデアなんです。その後、本の企画として話を頂いたときには、自分の力を発揮できる企画だと震えました。
--たしかに、関西弁と英語のバイリンガルである川合さんにピッタリの企画ですね。でも、関西弁を英語に翻訳するのは、実際難しそうですが。
川合さん
実はそれほど難しい作業ではありませんでした。なぜなら、それは普段関西弁と英語を使っている僕の日常だからです。ただそうは言っても、いわゆる”翻訳”ではなく、”自分の身体的にしっくりくる”英語フレーズを選出することに全精力を傾けたことは事実です。
ダウンロードできる音声も、もちろん関西弁。
--”自分の身体的にしっくりくる”英語フレーズとは、どういうものですか?
川合さん
通訳や翻訳の際も、例えば、日本語→英語の変換をやるとき、基本的に直訳はせずに、日本語の言葉を、一旦感情や感覚として受け止めて、それから英語にするようにしています。これが、”自分の身体的にしっくりくる”英語フレーズです。もちろん英語→日本語の変換も同じです。
--なるほど、元々の言葉を話しているときの感情や感覚が大切なんですね。
ちなみに本書は、ボケやツッコミなど、いわゆる漫才的な要素があるように思いますが、これも川合さんがお考えになられたんですか?
川合さん
はい、そうです。とにかく、読んでくれた方が「オモロイ」と言ってくれるような原稿を書くことに気を使いました。
お笑いを学んだことはありませんが、お笑いは自分の人生にとって非常に大切な要素の1つです。高校生の時の夢は漫才師で、文化祭で漫才をしたこともあります。
そして、20年前に独学で英語学習を始めたときから、”英語で人を笑わせたい”という強い気持ちを、今に至るまで持ち続けています。
--そんなにお笑いに思い入れがあるのも、やはり大阪出身だからなんですか?
川合さん
おっしゃるとおり、生まれ持っての大阪人(関西人)の血ですね、何かにつけて「とにかくオモロくてナンボ」と思っている節は大いにあります(笑)
ちなみに川合さんの言う「オモロくてナンボ」という言葉を聞いて、思い出したのが本書のコチラのページ
オモロなかったらモテへんで。⇒No wit No girls
関西人メンタリティーを、ここまでスマートに表現した英語はじめて見た!No wit No girlsて!
実は本書、外国の人からの反響も大きく、日本に興味のある人向けのFacebookページで紹介されると、いいね!数2900、シュア数も1000を、あっさり超えるほどのリアクションがあった。
日本に旅行に来た外国の人が、正しい関西弁を話し始めるのも時間の問題・・・かもしれない。
本書には、ここで紹介した以外にも膝を打つ表現がまだまだある。英語にアレルギーがある人にこそ、手にとってほしいオモロイ一冊。続編にも期待したい!
参照元:川合亮平HP、こいおけぐらんじHP、amazon
取材:お松