人工肛門をつけた女性がフィットネスモデル優勝!
欧州最大のフィットネスモデルコンテスト「ピュア・エリート」の優勝者が、今月発表された。
見事、グランプリを勝ち取ったのは、英出身のゾーイ・ライトさん(25歳)だ。
筋肉隆々の鍛え抜かれた見事な肉体美を披露したゾーイさんだが、彼女の身体をよくみてほしい。
「右腹部に見える白い物は一体何?」と思った方も多いだろう。
実はこれ、「イレオストミー」と呼ばれる、腹部に造られた人工肛門なのだ。
ここ数年、数々のフィットネスコンテストで賞を獲得してきたゾーイさんだが、その背景には彼女の並々ならぬ努力、そして強い意志があったのである。
原因不明の難病におかされ、手術を決断!
2012年、急激に減り始めた自身の体重が気になったゾーイさんは、医師のもとを訪れ、潰瘍性大腸炎(かいようせいだいちょうえん)であると診断された。
大腸粘膜に潰瘍ができる原因不明の疾患で、日本でも厚生労働省より難病指定されている。
▲(左)当時のゾーイさん(右)現在のゾーイさん
慢性的な痛みと闘いながらも、無数の薬を試したり、遠くの病院へも足を運んだゾーイさん。しかし、それも限界に達したため、2014年11月に人工肛門を取り付ける手術をおこなったのである。
誰にも欠陥はある、と敢えて選んだフィットネスモデル
このような手術を受けたあと、なんらかを犠牲にしたり、あきらめてしまったりする人も多いのではないだろうか。
もともと体を鍛えることが好きだったゾーイさんだったが、人工肛門を取り付けた身体を披露するという発想は、普通なら思いつかないかもしれない。
しかし、ゾーイさんは手術からわずか10か月後に、フィットネスモデルとして初めてステージにあがり、しかも賞を獲得したというのだから、もはや尊敬しかない。
手術を受けた当時は自分の殻にこもっていたわ。でもこのままじゃいけないと思ったの。こんな体になってしまうと誰でも自信をなくすでしょう。だからこそ、敢えてフィットネスモデルの道を選んだの。人間誰しも欠陥があるはず。私がモデルとして活躍することで、みんなに勇気を持ってほしいわ。
今回のグランプリ獲得で大手スポンサーとモデル契約を結んだゾーイさん。壁を乗り越えることはそう容易いことではないが、それを克服したときに得るものは壮大なものに違いない。ゾーイさんはそれを私たちに教えてくれたのではないだろうか。