タンポンが原因で両足を切断したモデル
2012年、24歳のモデルが右足を切断した。
その原因は、生理用タンポンにあった。
米モデルのローレン・ワッサー(29歳)。モデルの両親のもとに生まれた彼女は、2歳の頃から確実にキャリアを積んでいった有名モデルのひとりである。
そんな彼女が、先週、もう片方の足を切断したと、自身のインスタグラムで報告をした。
両足を切断するという苦渋の決断をしたローレンだが、このような悲劇を生んでしまった原因がタンポンだということに衝撃を隠せない。
身近に潜む「トキシックショック症候群」
2012年10月3日、41度の高熱に襲われたローレンは病院へと搬送された。
心臓発作を起こし、生命の危機があったにもかかわらず、一命をとりとめたローレン。しかし、彼女の両足は黒く変色し、次第に壊疽(えそ)の症状が深刻化していったのである。
一連の症状から、医師は「トキシックショック症候群」だと診断したという。
「トキシックショック症候群(通称TSS)」とは、黄色ブドウ球菌が生み出す毒素が原因で起こる急性疾患のことである。突然の高熱や発疹、嘔吐、下痢などの症状がみられ、すぐさま医療機関で治療を受けないと命をおびやかすこともあるという。
男女かかわらず誰でもかかる可能性があるが、非常にまれな病気で、報告されているTSS発症者の半数はタンポンを使用している女性だという。
当時、タンポンを使用していたローレンは、そのタンポンが原因でTSSを引き起こしたとされている。
「身体に入れるものに気を付けて!」とローレンの訴え
毎日、耐えがたい痛みに襲われていたローレンは、右足に続き、左足も切断する日が近いということに気付いていたようだ。
そして、両足を切断した現在の姿が、今週、インスタグラムに投稿された。
出口の見えない暗闇に突き落され、絶望のなかにいた彼女が、このように両足を失った姿を投稿し続けるのには理由がある。それは自分と同じような被害者を出さないために、「身体に入れるものに気を付けて!」と女性に対して注意喚起を促しているのだ。
あなたはタンポンを正しく使っていますか?
普段何気なく使用しているタンポンだが、あなたはどのくらいの頻度で交換していますか?
指や手が清潔でなかったり、長時間のタンポンの使用で黄色ブドウ球菌が増殖するといわれるが、一般的にタンポンひとつの使用限度は5時間から8時間とされている。
ローレンも1日3回の頻度で交換をしていたというが、これは個人の経血量などによっても異なり、タンポンメーカーも明言を避けている傾向が強いようだ。
多くの女性がTSSという病気の知識を得ることで、これまで以上にタンポンの正しい使用方法やリスクを知ってほしい。ローレンの願いは、確実に届くはずだ。