イスラム教徒の間では、一般的に女性はヒジャブを身に着け、髪の毛や肌を覆っている。これは、イスラム教の聖典「コーラン」の教えに基づいているものだ。
現代のファッション業界において、身体をヒジャブで覆う女性たちがモデルとして起用されることは、これまであまりなかったのだが、先週、新たな革命が起きたのである。
世界初のヒジャブモデルがマッハで辞退！
1月14日、イギリスの美容ブロガー、アメナ・カーンさんは、自身のSNSでフランスの最大手化粧品ブランドL’Oreal Paris（ロレアルパリ）の新しいキャンペーンに起用されたと発表した。
ロレアルといえば日本でも馴染みが深いブランドであるが、今回のキャンペーンはヘアケア用品。
大手メーカーによる髪の毛をヒジャブで覆った女性の起用は、世界でも初めてだということで、先週海外メディアで話題となっていたのだが・・・。
なんと1週間たたずして、今回のキャンペーンモデルを辞退することになってしまったのである。
髪の毛が隠れていても関係ないわ。ヘアケアは女性にとって必須なの。髪は女の命よ。
動画のなかで、凛とした女性像を象徴するアメナさんだが、一体なにがあったというのか。
イスラエルは邪悪な国家だとツイート
実は、彼女の過去の人種差別ツイートが明らかになったのである！！！
2014年にアメナさんは、イスラエルを指し、「違法」「邪悪な国家」などと、反イスラエルとも取れるツイートを投稿していたのだ。
現在そのツイートは削除されているものの、世界中の人から反感を買い、今なお収束するに至っていない。
・応援していたけど失望した！
・髪の毛より大事なことがあるはず！
・私はイスラエルが大好き！
このような批判が殺到するなかにも、「謝る必要なんてない！イスラエルはそれだけのことをしたんだから！」と、彼女を擁護する声もある。
その背景には、2014年にイスラエルがパレスチナ自治区ガザへの地上侵攻に踏み切り、空爆や地上戦により多くの死者を出したガザ侵攻があるのだろう。
ただ、著名人が個人的な感情をSNSに投稿してしまったことは、やはり注意が足りなかったのかもしれない。
アメナさんの辞退にロレアル側も合意を表明
そして昨日、アメナさんはこんなコメントを出した。
2014年のツイートのことを深く謝罪します。多様化は私の熱意のひとつであり、差別をするつもりはありません。しかし私のメッセージを象徴していない、この過去のツイートは削除します。今回のモデル起用は新たな革命を生み出す一歩でしたが、現在の状況のなかで続行することは難しく、辞退することにしました。
これに対し、ロレアル側も彼女の辞退を受け入れると発表した。
2014年のアメナの投稿を確認しました。彼女は今回の騒動においてきちんと謝罪してくれました。ロレアルパリはすべての人の相互関係において敬意を払います。ゆえに、今回キャンペーンを辞退する彼女の意思に同意します。
新しい一歩を踏み出す第一人者だっただけに非常に残念な出来事だが、今回のことをきっかけに、きっとまた活躍できる日が来ることを願っている。
