時代の忘れ物。あの木彫りの熊がスタイリッシュに生まれ変わった!

アート

民芸品に新たな光をあてるクマ作家現る!

まずはこちらを見ていただきたい。

ダダっくま

お気づきの読者もいるかもしれないが、これは北海道の民芸品としてお馴染みの、木彫りの熊を元にした作品。ドキドキするほどかっこいい。

熊彫(木彫りの熊)

木彫りの熊は北海道の八雲市が、その発祥とされ、一昔前までは北海道のお土産・民芸品といえば、この木彫りの熊であった。しかし現在では、お土産物としても影をひそめ、職人さんの数も減り続けている。

正直言って、木彫りの熊をお土産にもらったことはないし、もらってもうれしいとは思えないだろう。

だがしかし、冒頭に紹介した木彫りの熊はどうだ。

ダダっくま(外①)ダダっくま。ウルトラマンに出てくる三面怪人ダダをモチーフに制作。
ダダっくま(外②)自然な経年変化に見えるエイジング塗装で、味のある風合に。細かな技が光る!

時代に忘れられようとしている、民芸品に新たな輝きを与え、スタイリッシュに生まれ変わった姿。もう一度言う、ドキドキするほどかっこいいぞ!

この作品を作ったのは、クマ作家の中谷健一さん。クマ作家って、なんか新鮮。

中谷さんが偶然、古道具屋で手に入れた一体の木彫りの熊。それを手にした時、不思議と手に馴染んだそうだ。

中谷さん
北海道出身のせいもあってか、持った瞬間なんとも言えない、とても手に馴染んだのを覚えています。思い出すと、木彫りの熊は、どこの家にもある環境で育ったので、当時は全然特別な感じはありませんでした。ただ、東京に出てきて目にすると、とても懐かしい感覚があったのを覚えています。

サイボーグだベア記念すべき第1作目。
サイボーグだベア②光る目がシビレる!

その木彫りの熊で制作したのが、このサイボーグだベア。元々の木彫りの熊を活かしつつ、部分的にサボーグ化した。センスが光る一品。見たことがあるのに、見たことのない木彫りの熊だ。

しかし、制作するにあたっては躊躇することもあったそうだ。

中谷さん
実際、完成品である木彫りの熊に、手を施すのは躊躇しました。民芸品は面白い、しかし作者が元々あるものに手を加えるのが怖いというか・・・でも、勝手ですが道産子(北海道の人たちの呼称)の自分だったら許されるし筋が通ってる気がするんです。

なるほど。元々の制作者へのリスペクトと、ご自身のルーツである北海道への想いもあるようだ。熱い。

クマモン九州の彼です。そうですクマモンです。

中谷さん
自分の作品は、部屋に飾ってナンボだと思っているんです。インテリアにならないとアートじゃないと思ってるんですね。「これ元々木彫りクマじゃん!すげー」みたいに言われたらシャレが効いてて良いと思うんです。

ダダっくまアップ

たしかに。私(お松)自身も、ダダっくまをはじめて見た時、それが木彫りの熊だと気付いた瞬間の新鮮な驚きといったら。いつも目にしているありふれたモノに新たな魅力を発見したような感覚。ホントびっくりした。

中谷さん
今後まだまだいっぱい作っていきたいです。とりあえず30体くらいあれば展示できんじゃないかと。自分の得意とするキャラクターをモチーフとしたもの、たとえばシンゴジラなんか面白いとおもって只今構想中です。あとは、自分が目指すアートな感覚を織り交ぜて、決してジョーク商品的な感覚では終わらせたくないですね。

メッコぐま北欧のブランド、マリメッコをモチーフにした、メッコぐま
メッコぐま②大胆なペイントで、一番木彫りの熊っぽくないかもしれない。完全おしゃれアート作品になってる!

忘れられようとしている民芸品に、新たな光を当てた中谷さん。今後の作品も要チェックである。

参照元:twitter
取材:お松

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まつやま

おいしいごはんを食べているときが、いちばんしあわせです。すきな食べものは酢飯。屋根の下より空の下にいるほうが落ち着く人(髪の毛に難あり)fromサウス大阪。

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