大きなアザで「モンスター」と呼ばれていた女性
容姿、それは誰にとっても気になるものかもしれない。若いころは特に。
今回紹介する、中国・貴州省のシャオ・ヤンという女性には、生まれた時から顔にアザが広がっていた。
そして、23歳なった今も、彼女の顔の半分はアザで覆われているのである。
これは「先天性色素性母斑」と呼ばれるもので、悪性の場合がん化する可能性が非常に高いと言われている病気である。
この容姿のせいで村の人々からは「モンスター」と呼ばれ、小さいころから酷いいじめを受けていたのだそう。
だがヤンさんは苦しみを乗り越え、他の女の子と同じように成長し、大学卒業後、医薬品メーカーに務めるようになったという。
しかし、昨年から顔のアザは強い痒みや痛みを伴うようになってきたのだ。
そんな苦しむ姿をみた彼女の弟が、上海にある美容整形外科へ連れて行くと、皮膚がんの可能性が非常に高いと診断されてしまったのである。
そして「出来るだけ早いうちに、顔の皮膚を移植しないと危険だ」と警告されるも、提示された金額はなんと5242万円(300万元)にも及ぶものだったのだ。
「そんな金額を払える余裕などない」と落ち込んでいた時、この知らせを聞いた貴州省の村人たちが、金銭的な支援をしたいと申し出てきたのである。
かつて心無い言葉を浴びせた人々も、心を入れ替えてヤンさんを救おうとしてきたのだ。
大きな苦しみが伴う整形手術
こうして集まった資金により、ヤンさんは整形手術に踏み切ることができたが、その手術の内容というものが過酷を極めるものだった。
キレイに残っている部分の皮膚を器具によって押し伸ばし、アザの部分に移植するという方法だったからだ。
その理由は、本人の皮膚を移植しないと永久に定着しないからである。他人の皮膚を使うと拒否反応を起こし、1週間から10日ほどではがれおちてしまうらしい。
この姿のヤンさんの姿を見て「ひょうたん人形」と呼ぶネット民もいた一方、彼女を支援しようという動きが高まったのだという。
その結果、クラウドファンディングで8737万円(500万元)もの資金が集まったのである。手術費用をはるかに超える金額だ。
奇跡的ともいえる流れに対し、ヤンさんは地元メディアに対してこのように語っている。
「私は今までいじけてばかりいました。でも、家族のおかげでここまで成長できましたし、今はとてもポジティブになれていますよ。」
彼女の手術はまだまだ長く、今年の6月まで続くそう。手術の成功を願うばかりである。