3年前、世界に衝撃を与えた映像が、今また話題になっている。
なぜなら、今月20日、その事件に関する判決が出たからだ。早速、詳細を追ってみよう。
スーツケースの中に男の子の姿が!
2015年5月7日、北アフリカにあるスペイン領セウタの税関で、1人の女性がスーツケースを重そうにひいているのが目撃された。
落ち着きのない様子の女性に、税関職員は違法薬物などを密輸しているのではないかと疑ったようだ。そして、そのスーツケースをX線検査に通したのだが、違法薬物よりももっと驚く光景が待っていたのである!
そのときの映像がコレだ!
なんと、スーツケースの中には男の子が!
スーツケースの中にいたのはコートジボワール出身のアドゥ君(当時8歳)。この事件を受け、息子を過酷な状況下におき密入国させようとした疑いで、父親が訴追されたのである。
父親に科されたのは罰金12,000円のみ!
セウタは、欧州がアフリカ大陸と陸地で接する数少ない地域である。
そのため、移民や難民が欧州を目指すルートのひとつとなっている。
カナリア諸島に住むアドゥ君の父親は、金銭的余裕がなく、息子と離ればなれの生活を余儀なくされていたという。
スーツケースを運んでいた女性は、アドゥ君の移動を父親に依頼されたというが、父親はまさか息子がスーツケースに入れられて密入国をするとは想像すらしていなかったと話している。
そして現在10歳になるアドゥ君も、「父親からは車で移動すると聞かされていた」と法廷で証言したため、今回の密入国において父親が知っていたという証拠が不十分とし、父親は実刑判決を免れることになったのである。
当初、禁固刑3年を求刑していたにもかかわらず、父親とアドゥ君の証言により、なんと父親は罰金刑のみで釈放されることになったのだ。その額、日本円にして12,000円、、、あまりに軽すぎる判決に、世界が衝撃を受けたのは言うまでもないだろう。
不可解な点が残るこの事件だが、「すべての裁判が終わったので、今後家族みんなで暮らしたい」と父親は話している。