ベルリンの壁崩壊後に描かれた平和の象徴たち
冷戦時代、東西ドイツ分断の象徴であったベルリンの壁。1989年に崩壊した後、この壁は平和の象徴として、世界各国のアーティストによるギャラリーになっていた…
今回は全長1.3kmに及ぶ「イーストサイドギャラリー」と呼ばれるベルリンの壁に描かれたアートを、厳選してお届けしたいと思う。
①おじさん2人のキス
一番有名なものがコチラ、おじさん2人のキスの絵だ。
冷戦時代のソ連の指導者ブレジネフと、東ドイツの指導者ホーネッカーの親密さを強調した1枚である。
インパクトがすごい…
②共産主義の象徴「鎌と槌」
ソ連崩壊時の指導者ゴルバチョフが、共産主義の象徴である「鎌と槌(ハンマー)」をハンドルのように握っている1枚。
周りにたくさん書かれている落書きから、共産主義に対する人々の反発が思い起こされる。
③日の丸と富士山
このギャラリーには日本を表す絵もあり、日の丸と富士山が描かれている。
第二次大戦中に、日本はドイツと同盟を結んでいたため、この絵が描かれているのかもしれない。
④ディストピアの社会
どこかディストピアのような荒れた社会を表している1枚。
不思議と背筋がぞくっとしてしまう。
⑤砂漠で操られるマリオネット
砂漠でマリオネットが操られているような構図の絵。
荒廃しており、陰鬱な気配が感じられる…
⑥アーティスティックなたくさんの顔
アーティスティックな背景に複数の顔が描かれている。
じっと見ていると、どこか不安になってくる。
⑦壁に挟まれた人々
この絵には、ベルリンの壁の間に挟まれた人々が描かれている。
耳をすませば、壁に苦しんでいた人々の、悲鳴が聞こえてきそうだ…
⑧壁に激突する車
1台の車が壁に激突している様子が描かれている。
分断の象徴である壁をどうにか打ち破りたいという、当時の人々の思いが伝わってくる。
⑨平和の象徴、ハト
平和の象徴であるハトが牢屋にいる人を助けようとしている絵。
暗い雰囲気の中に、どこか前向きさが感じられる。
⑩「自由に踊ろう」
“Dancing to Freedom”(自由に踊ろう)と題された1枚。下には”No more wars, no more walls, a united world”(戦争はもういらない、壁はもういらない、平和な世界を)と書かれている。
壁に苦しめられていた人々の、平和が訪れたことに対する喜びとこれからの平和を願う想いが伝わってくる。
数多くの平和の象徴たち
いかがだっただろうか。このようにベルリンの壁は、数多くのアートに包まれたギャラリーになっていた。
冷戦時のベルリンの壁は、東西ドイツを分断する悲劇の壁であった。
ギャラリーに生まれ変わった現在の”壁”が、二度と本当の壁として使われることのないよう、願ってやまない。
撮影:edamame.編集部