「議論を促進するため撤去した」
最近SNS上で、セクハラや性的虐待に声を上げる「MeToo」運動が巻き起こっている。そんな中「MeToo」運動に関連して、イギリスの美術館が起こしたある行動が物議を醸している。
なんと、その美術館は裸の女性が描かれた油絵を撤去したのである。
ギリシャ神話がモチーフの人気作品
マンチェスター市立美術館が撤去したのは、「ヒュラスとニンフたち」という作品。
1896年にイギリス人画家によって描かれたこの作品は、ギリシャ神話がモチーフになっている。
その神話は、「池に住む妖精ニンフたちが、美貌の少年ヒュラスの美しさに魅了され、彼を池の中に引き込もうとした」というもの。
この作品は「美の追求」と題されたスペースに飾られており、美術館の中でも人気の作品であった。
性的表現の議論が芸術の分野に…
しかし美術館は2月初頭に、そんな人気の絵画を突如撤去してしまった!
美術館は、「セクシュアリティな表現を公共の場に飾ることが、現代に適切かどうかの議論を促進するために撤去した」と述べている。
議論を促進するためとは言え、これはさすがにやりすぎではないだろうか…
筆者の考えと同じように、インターネット上でも非難の声が殺到しており、「あまりにも行き過ぎている」、「作品に対する検閲だ」という意見が多くあった。
中には、「絵画を撤去しなくても、議論を起こすことはできる」と述べた識者もいた。確かに撤去しなくても、他の形で十分だよなぁ。
今回の作品撤去は、美術館の思惑とは違う内容の議論を巻き起こしてしまった。
これからも、性的表現の議論が芸術の分野に入ってくる可能性は否めない。性的表現を含む作品は禁止となるか、はたまた芸術は芸術として認められるか、どのように結論が付くかは我々の選択次第である。
参照元:Wikipedia