史上最古!132年前の手紙が発見される
ビンの中に手紙を入れ海に投げたら、知らない誰かが読んでくれるかもしれない・・・なんていうのは、なんともロマンあふれる話である。
ちなみに、現存している最古のボトルメールというのは104年前に流されたものだった。中身はというと、1904年に航海学校が海流を調べるために放った1800本あまりのボトルメールの一つだったという。
しかし、このたびオーストラリアの海岸でさらに古いボトルメールが発見された!
地元の女性が見つけたそうなのだが、なんとそれが132年前の1886年に書かれたものであると判明したのである!
1月21日、オーストラリア西部ウェッジアイランドに住むトーニャ・イルマンさんという女性が海岸を歩いていると、小さな黒いビンが砂に埋まっているのを発見した。ボトルには蓋がついておらず、穴をのぞいてみるとタバコのようなものが見えたという。
取り出してみると、紙が丁寧に巻かれ細いひもで結ばれていたことから、これが手紙であると確信したようだ。しかし手紙は濡れており開くことができず、家で乾かしたあと開けてみると、18__年6月12日という日付が穴抜けで読み取ることができたという。
当初は飾って楽しむつもりだったというが、歴史的大発見とみたイルマンさんは詳細の調査を開始したのだ!
1ヶ月にわたる専門家たちの協力で詳細が判明
まず、イルマンさんの夫キムさんの協力のもと概要を拾っていくと、書かれているのは座標や方角らしきものであることが明らかに。だが完全な解読はできなかった。
そこでボトルメールを博物館に持って行き、世界各地から専門家を呼び寄せ、この手紙を流した人物が乗っていた船の特定にあたったのである。ここからはかなりの時間がかかったようだ。
まず、オランダの考古学者の調べにより、ビンの形状からオランダのスキーダムで生産・流通していたジンのボトルであると判明。
そして、これはドイツの船「ポーラ号」の海流調査で使われたボトルメールであることが分かったのだ。
「ポーラ号」はドイツ・ハメルベルデンを1876年に出港し、ウェールズのカーディフ、旧イギリス領インドネシアのマッカサル、旧オランダ領の東インドを旅していた帆船である。
更には、ドイツ海軍観測所が海流調査の一環としてインド洋にボトルを大量に放っていた記録が残っており、当時の航海記録と手紙の中身が一致していたのである。
以上の点から、手紙が本当に1886年に流されたものであることが明らかになったのだ!
またこのボトルは、オーストラリア国立海洋博物館に収蔵されることになったという。
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この発見により、イルマンさんは「人生で一番衝撃的な出来事でした。132年近く触られずそのままなんて、今でも興奮しっぱなしです!」と語っている。
132年前の人のメッセージを手に取るとは、運命のようなものを感じてしまうだろう。宝くじに当たるよりもラッキーに違いない。
なお、イルマンさんの夫キムさんが今回の調査記録をウェブサイト上にまとめている。詳細な情報が気になる人は、下のリンクからご覧になって欲しい!!