もし、自分の子供が病気だったら。
そんな子供の面倒を見てくれる人がいなかったら。
あなたならどうしますか?
日本においては、有給制度はあるものの、あまり利用できないという現状がある。
しかし、ドイツでは、息子をひとりで看病しなければならなくなった男性に、412日の有給がプレゼントされたと話題になっているのだ!
いったいどういう事なのだろうか。
白血病の息子と最愛の妻の死
そんな2重の苦難に襲われたのは、ドイツに住む男性、アンドレアス・グラフさん(36歳)だ。
わずか3歳で白血病と診断された息子ジュリウス君(5歳)。治療のために9週間の入院を余儀なくされたのだが、ようやく退院が決まった。
自宅療養をするはずだったそんな矢先、なんと最愛の妻が心臓発作で突然亡くなってしまったのである。
All of the company's 650 workers immediately signed up – even those who had never met him https://t.co/muFLQunpn6
— Metro (@MetroUK) 2018年3月8日
度重なる不幸に見舞われたアンドレアスさんを、さらなる苦難が待ち受けていた。それは、退院後のジュリウス君の身の振り方だった。
そう、妻がいなくなってしまった今、ジュリウス君の世話をできるのは自分しかいないということに気付いたアンドレアスさん。しかし、仕事をしなければ治療費も払えない。そんなアンドレアスさんは、すべての有給を消化することにしたのだ。
同僚たちが412日間の有給をプレゼント!
しかし、有給休暇も限られている。
病気の息子と一緒にいたくても、仕事を再開しなければ生活も治療もできない。そんな不安に押しつぶされそうになっていたアンドレアスさんに、救いの手を差し伸べたのは会社の女性マネージャーだった。
彼女は、650人いる社員たちに、こう呼びかけたのである。
みんなが無償で働いてくれた残業分を、アンドレアスさんの有給に充てます。
アンドレアスさんのことを知らない社員も多かったというが、なんと650人全員が快諾し、わずか2週間で約3300時間分の有給がアンドレアスさんにプレゼントされたのだ。
3300時間といえば、1日8時間勤務として約412日分。そう、約1年半分の有給に相当するのである。
1人が5時間の残業をすることで、アンドレアスさんに1年半分もの有給がプレゼントされるという今回の出来事。1人1人の小さな力が集まれば、こんなにも大きな成果が得られるということを改めて感じることができたのではないだろうか。
現在、ジュリウス君の治療経過も順調で、近いうちに幼稚園に通うこともできそうだという。その日まで、ジュリウス君のそばに寄り添ってあげられる時間が確保できることは、アンドレアスさんにとって何よりも心強いに違いない。