【生命倫理の問題】血筋を絶やさないため遺体から精子を取り出すことを決めたイスラエルの家族

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イスラエルの家族が取った行動

死者の精子を用いて子供を作ることは、正しいことだろうか?

こんな倫理的な問題を、イスラエルのある家族が問いかけてくれた。

最愛の息子を突然事故で失った家族

イスラエルのシャハール夫妻は、最愛の息子オムリさんを事故で失った。

突然の息子との別れに、悲しみに暮れる夫妻。その時、前を向くために取った方法が、息子の遺体から精子を取り出すことであった。

死んだ息子の精子で孫を――イスラエルで増える遺体からの精子採取……家族の遺体から精子を採取して子供をつくりたいと望む人が増えている
https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2018/03/post-9757.php …
#イスラエル #生殖医療 #生命倫理

Newsweek Japan/ニューズウィーク日本版さんの投稿 2018年3月16日(金)

▲シャハール夫妻(左)とオムリさん(右)

実はイスラエルでは遺体から精子を取り出し、それを用いて子供を作ることが認められているのである。

歴史的にユダヤ人は度々虐げられてきた。そのことが影響してか、民族として血筋を絶やさないことが、非常に重大な意味を持っているのだろう。

遺体から精子を取り出すとは、あまり考えたことのない問いであり、賛否をきっぱりと表明できる人は少ないのではないのだろうか。

技術的には可能だが、倫理的に多くの国で認められていない

遺体から精子を取り出すなんて、そもそも出来るの?と思われる読者もいるかもしれない。

調べてみると、技術的にはそれほど難しくないようだ。死因にもよるが、死後48時間以内であれば、遺体から精子を取り出すことは可能だという。

だが技術的に可能であっても、やはり倫理的な問題が付きまとう。ドイツやフランスなど多くの国で、遺体からの精子採取は禁じられている

イスラエルでも、子供を産むには配偶者の同意が必要、という条件がある。

今回のケースでは、亡くなったオムリさんの配偶者が妊娠することを拒否したため、オムリさんの血を継ぐ子供は未だに産まれていない。

一方で、死者の両親が望めば配偶者の同意なしで、精子を使用できるように法改正をする動きが出ており、シャハール夫妻の願いが叶う可能性は残されているようだ。

現状日本では、死後生殖に関する法律が規定されていないため、このような事態が発生した際どのようになるか、確固とした答えは存在していない。

これから技術が発展していくにつれて、今回のような倫理的に難しい問題が次々と出てくると思われる。イスラエルという遠い国の話だと他人事にせず、我々も真剣に考えなければならない問題だと、筆者は考えるのである。

参照元:NewsweekFacebook

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Haru

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