国立劇場が本気をだしたらこうなった
ここ数日、急速に再生回数の伸びている動画をご存知だろうか。公開後5日間で、180万回再生されている。
その動画とは!
PNSP?てかバックの黒いのなに?
なにはともあれ、早速ごらんいただこう。
国立劇場版PPAP!
あー、ペンパイナッポーアッポーペンのあれね!声も音楽もいい感じでおもしろい。人気になるのもわかる。
作ったのは、日本の伝統芸能を上演するほか、伝承者の養成や調査研究も行う国立劇場だ。なぜ、PNSPを作ったのだろうか。国立劇場は動画紹介欄で、
国立劇場版PPAPの動画を制作しました。
邦楽、伝統芸能の普及に一役買えればという思いです。
と述べている。確かに邦楽、伝統芸能は普通の生活ではなじみがなく、邦楽の演者はどんどん少なくなっている。PNSPをきっかけに知り、興味をもってもらえれば…ということだろう。邦楽といっても、J-POPとは異なるので、あしからず。
ちなみにノリノリでおどっているのは、国立劇場のマスコット「くろごちゃん」!抱き合わせで覚えてもらおうという魂胆か…
演奏されている楽器を知って、邦楽に興味を!
せっかくなので、国立劇場の思惑にのっかって、演奏されている楽器を調べてみよう。邦楽にちょっとでも興味を持ってくれれば、筆者としても幸いだ。
日本のオーケストラとも言える演奏に使用されている楽器は、三味線、笛、打楽器だ。
ちなみに唄は杵屋佐喜という方。すごくいい声。
おなじみの三味線!
1番右側の二人が弾いている楽器は三味線だ。日本のギターとしてすでにおなじみだろう。
三味線は16世紀ごろ、中国から琉球を通して伝わった三線を改良して生まれたとされている。
江戸時代には音楽に厳格な制限が行われており、三味線は庶民の楽器だった。今でも広く知られているのは、庶民が弾き継いできたからかも。
ちなみに三味線の胴には、猫や犬の皮が使われているのだそう。まさか、わんこやにゃんこを原料に使っているなんて…
気になるお値段はおよそ4万円ほど。高めのギターという感じ?
三味線といえば2016年に、あのスタジオジブリの大人気映画「千と千尋の神隠し」に出演するカオナシが、一心不乱に三味線を弾く動画が話題になった。
カオナシが津軽三味線弾いててワロタwwwww pic.twitter.com/SLDl0fuoQm
— ずんずん@神出鬼没P (@zunzun_2525) 2016年6月18日
めちゃくちゃうまい…どうしてカオナシになって、三味線を弾こうと思ったのか…まぁ、こうして話題にあがり、三味線を知ってもらえれば、うれしい限りだろう。
旋律を奏でる横笛!
お次はリードを務める横笛だ。横笛といえばフルートを一番に思い起こすだろうが、日本にも篠笛を代表として、さまざまな種類がある。日本古来の読み方では、「おうてき」と読むらしい。
横笛は合奏のなかで重要な役割を担っており、曲の始まりは必ず横笛の独奏から始まることになっている。確かに、この動画の始まりも横笛だ!
日本の横笛の一種に龍笛がある。その音色は、舞い立ち昇る龍の鳴き声のようだ、といわれたため「龍笛」と呼ばれた。どれほど美しい音色なのか、実際に聞いてみたいものである。
ちなみに横笛のお値段は、約1500円から。結構お安め。
笛に関して、ある広告が一時話題になった。
ここ最近の広告で一番ツボにはまった pic.twitter.com/Yv6wYQe39F
— ぐのひと (@honey8823) 2016年5月30日
この女性、ちくわを笛にしている。いや、ちくわって…確かに空洞の長い棒ってとこで、原理は変わらんけど…
違和感を持つ人が多いだろうが、われわれはちくわ笛を演奏している動画を入手した!
えっ、ちくわってこんないい音なるの!確かにこれなら、楽器としても十分やっていける。ただやっぱり、ビジュアルがひっかかるような…
最後は3種類の打楽器!
最後は打楽器だ。映像では3つ演奏されている。
1番左側の、ばちで叩いているものが締太鼓。能や歌舞伎、獅子舞で用いられる。締め具合により面の張りを調節できることから「締太鼓」と呼ぶ。打楽器はリズムを保つのが役割なので、音楽に熟達した人が演奏するそう。
お値段は10万円以上。さすがにお高い。
そして残りの2つが、小鼓(こつづみ)と大鼓(おおつづみ)。これらはインドで生まれたとされ、中国を経由し日本に伝わった。一般的に、2つセットで演奏されるのだそう。
お値段は2つあわせて、約25万円!もっと高いのもざらにある様子。さすが伝統芸能…
日本の打楽器といえば、大迫力の和太鼓を想像するだろう。現在、その和太鼓が世界中で人気なのだという。
新しいエンターテインメントとして、ドラム・アートを提唱する「DRUM TAO」は、世界中で公演を行っている。動員総数は、なんと700万人!海外でも一流芸術と認められている。
PNSPが海外でも人気になれば、その他の楽器も世界中に進出!ということになるかもしれない。
三方と塗三方って?
ちなみに、さんぽーってなに?見たことはあるけど詳しくしらない、という方もいるだろう。
さんぽーは漢字で「三方」と書く。神道の神事において使われる、神饌(お供え物)を載せるための台。つまり神様へのお供え物を載せる台だ。鏡餅とか月見団子とか載せるアレ、三方って言うのね!
名前の由来は、三方向に穴があいているから「三方」!とても単純。
四方向に穴があいているものあり、「四方」(しほう)というらしい。これまた単純な…
で、ぬりさんぽーは?
もはや言わずもがな、ぬりさんぽーは三方に色を塗った、「塗三方」。そのままである。
そして気になるお値段は、安いもので約1000円、高いものは4万円ほど!探していくともっと高いものもある模様。伝統工芸品、おそるべし…
Twitterで大ブーム!海外にも??
このようにPNSPは日本の伝統芸能や工芸品が、ふんだんに盛り込まれた動画であった。
本家のPPAPはTwitterでのつぶやきを通じて超人気動画になったが、同じように国立劇場のPNSPも、現在Twitterでブームを呼んでいる。
ペンヌリサンポーサンポーペン(PNSP)結構好き
— そろそろ焦ろう白×銀 (@shirogane0325) 2017年1月17日
私、本家PPAPよりPNSPペンヌリサンポーサンポーペンの方が好き←
— 麗奈ンボー (@rena_koiran) 2017年1月17日
と本家より好きという声まであがる始末。
本家はカナダの有名アーティスト、ジャスティン・ビーバーにTwitterでつぶやかれたことで、世界中でも人気者となったが、なんと同じように、国立劇場のPNSPも海外のニュースサイトに取り上げられた。
#usanews PNSP: National Theatre of Japan creates unique traditional performing arts version of Pen-Pineapple-Apple… https://t.co/c8oBKfd2wo
— ePeak USA (@epeakeuro) 2017年1月17日
このニュースが世界中で読まれ始め、好評な様子。日本の文化が世界でも認められるのは、うれしい限りである。邦楽や伝統芸能が世界中で話題になる日も近いかも。