避妊の話をしよう
「避妊」とは、社会性を持つ人類ならではの行為である。
実は旧約聖書の「創世記」にも、以下のような物語がある。
二人兄弟の兄が、神に逆らい殺された。兄弟の父親はどうしても、長男の子供がほしかった。
そこで、弟に兄嫁と結婚させて子供を作らせ、それを長男の子供として扱おうと考えた。
弟からすれば、兄嫁を身ごもらせても自分の子として扱ってはもらえない。
それが気に入らなかった弟は、兄嫁との性交の際、故意に精液を地に漏らしたのである。
望まない妊娠を避けるため、古くから避妊の概念は存在したのである。
さて、昔は精液を膣外に出すだけであった避妊方法も進化を遂げ、現代人には様々な選択肢がある。
おなじみのコンドームの他、近年存在感を増しているのが経口避妊薬(ピル)である。
女性が飲むものとして周知されているが、実は最近男性用ピルの開発が進んでいる。
どんな薬なの?
ワシントン大学とカリフォルニア大学ロサンゼルス校の共同研究によって生まれたものであり、有効成分はDMAUと呼ばれる物質。女性用のピルと同じくホルモンに作用するものである。
飲み方も女性用の錠剤と同じく、1日1錠、毎日飲み続けなければならない。
DMAUを摂取すると、男性ホルモンと精子生成に関与するホルモンの分泌が減り、不妊状態になるとのこと。
服用をやめれば、1ヵ月程度でホルモン量が正常に戻るそうで、臨床実験の結果、とくに重篤な副作用はなかったと報告されている。
ネット上はカオスに
男性用ピル開発のニュースを受け、ネット上では男性陣の弱気なコメントに対して同意や反論が飛び交い、まさにカオスとなっている。
毎日一錠ずつ飲むの?オレは毎日靴下を履くことさえ忘れるぜ。絶対無理だね。
→「あなたがセックスしようとしてる女性が同じ事を言ったらどう思う?」
→「男が避妊に積極的にならないのって、いざとなったらすぐに逃げられるからだよね。」
→「避妊の責任は男女平等に負うべき。」
男が「ピル飲んでるから大丈夫だよ」って言っても、女の子は信用するかね?
→「信用するよ~。あ、オレ男だった。」
→「それ、どっちもどっちじゃない?女の『ピル飲んでるから平気』も信用できないし。」
「副作用はない」ということだが、やはり男性ホルモンを減らす事には抵抗がある。
→「男性ホルモンが減ったら絶対副作用はあるよね。この研究はオカシイ。」
→「女性はピルを飲んでいるとき、ホルモンのせいで気分がおかしくなったりします。長い間それに耐えてきたんですよ。」
現段階では、ピルの服用について消極的な男性が多いようだ。
それに対し男性にもしっかり責任意識を持ってほしいというのが女性の思いである。
もし「男性用ピル」が市場に出回るようになったら、男性の避妊への意識のあり方も変化していくのだろうか。
参照元:GIZMODE