【お手柄】工学部の学生が「エンジニアっぽい」やり方で倒れた人の命を救う!その方法に全世界が感心・・・

テクノロジー

皆さんは、「工学部」と聞いて、どんなことをイメージするだろうか。

多くの人が、何かロボットとか作ってるんでしょ?くらいの印象しか持っていないかもしれない。

もちろん工学の意義は、何かを作り出すことにあるのだが、そのためにはまず「モノの仕組み」を理解しなければならない。

工学の本質は、モノや現象、あらゆることについて仕組みを知り、それを応用して社会に役立てることにあるのだ。

今回紹介するのは、大学で工学を学ぶ一人の学生が、その知識を利用して人の命を救ったという、奇跡の救出劇である。

フライト中の飛行機の中で・・・

インド工科大学に通う学生カーティケヤ・マンガラムさん、21歳。スイスでの交換留学を終えた彼は、インドへ帰るための飛行機に乗っていた。

そのフライト中、突如、客室乗務員の切迫した声が聞こえた。

「お客様の中に、お医者様はいらっしゃいませんか」

なんと、乗客の一人が意識を失いかけているという。

その乗客の名はトーマス。Ⅰ型糖尿病の患者である。

Ⅰ型糖尿病の患者は、インスリンを定期的に体に打たなければならない。そのときに使用されるのがインスリンペンである。

インスリンペンのイメージ

トーマスさんは、ペンに取り付けるカートリッジは持っていたものの、インスリンペン本体をなくしてしまっていた。そのため、インスリンを打つ事ができなかったのだ。

その飛行機にはロシア人の医師が乗り合わせていた。さらにその医師は自身が糖尿病を患っており、インスリンペン本体を持っていたのだ。

なんという幸運!しかし、医師が持っていたインスリンペンと、トーマスさんが持っていたカートリッジはそもそも種類が違うもの。医師はなんとか自分のペンにトーマスさんのカートリッジを取り付け、注射しようと試みたが、何度やってもうまくいかなかった。

そのうちトーマスさんは口から泡を吹きはじめ、乗務員たちは緊急着陸の準備を始めた。

そこでマンガラムさんは、医師に声をかけたのだ。

「そのペンとカートリッジ、僕に見せてもらえませんか。」

彼はまずはじめに、客室乗務員にプレミアムwifiサービス(ビジネスクラス以上でないと使えないもの)を利用できるように頼んだ。乗務員はそれを「しぶしぶ」許可したらしい。

インターネットを通じて、インスリンペンの設計図のPDFをダウンロードしたマンガラムさん。設計図と実際のペンを見比べ、どうやら「小さなばね」がなくなっているということに気付いたのだ。

彼は「冷静に」考えた。そして、乗務員に、客からボールペンを集めてくるよう頼んだのである。

数分後、乗務員は4~5本のボールペンをマンガラムさんに手渡した。

彼はそれらのボールペンから「ばね」を取り出し、ひとつひとつ、インスリンペンにはめて確認していく。

そして、あるひとつのばねが、完璧にインスリンペンにフィットしたのだ。

すぐさま医師はトーマスさんにインスリンを打った。15分もたたないうちに、彼の血糖値は安定し、通常の状態に戻っていったのである。

“仕組みを理解すること”の重要性

後にマンガラムさんは、こんなことを書いている。

今回のできごとは、大学で学んだ基礎工学のスキルが、重要なものであるということを気付かせてくれた。「人の命を救う」ことと「工学」が関係してるなんて、誰も想像できないだろうね。こんな経験ができるなんて、工学の知識を学ばせてくれたインド工科大学に感謝しているよ!

さて、現代人の身の回りには「なんとなく使っている」便利なものが溢れている。

たまには、それがどういった仕組みで動いているのか、思いを巡らせてみてはどうだろう。

ひょんなところで、役に立つ事があるかもしれない。

参照元:IFLScienceTwitter

あなたにおすすめ

記者紹介記者一覧

yamada

名乗るほどの者ではございません。ほとんど惰性で生きてます。

この人が書いた記事記事一覧