トルクメニスタンってこんな国
みなさんは、トルクメニスタンという国をご存知だろうか。中央アジアに位置し、カスピ海に面している国である。
1992年に旧ソ連からの独立を果たしたが、今日まで2代にわたって大統領の独裁が続いており、秘密警察による厳しい監視下に置かれている。そのため、一部では”中東の北朝鮮”と例えられているとか。
こうしたことから、日本に住んでいる私たちからは考えられないようなルールもまかり通ってしまうらしい!
その一つというのが、大統領の顔の写った新聞紙をトイレットペーパーとして使うことを禁ずるというものだ!
▲ベルディムハメドフ大統領のイメージ
こうした取締りが始まったのは、トルクメニスタン西部の小さな街。
約2万人が住んでいるというが、ここの警察官は、新聞や刊行物に印刷されている大統領の写真を隅から隅までチェックし、大統領の肖像に侮辱的なことがされていないかを確認されているのである。その範囲はなんと、本から紙くずといったものまで。
中でも、厳しいのはトイレだ。
トルクメニスタンには日本のような柔らかいトイレットペーパーは普及しておらず、いらなくなった紙でお尻を拭くことが多い。
そのため家庭によっては、大統領の顔が印刷された紙を使っている可能性もなきにしもあらずなのである。
万が一その紙がトイレで見つかったりすれば・・・大統領のイメージを汚す行為とみなされ、警告されても辞めない場合は逮捕されるのだ!!
トルクメニスタンには貧しい家庭が多く、こうしたアナウンスは民衆にとって不満に違いない。例え大統領の顔に泥を塗っても、おシリくらいはキレイにしたいに決まっているではないか・・・・。
もし問題の紙が見つかってしまった場合は、新聞配達用に割り振られている家庭の番号から家を割出し、警察が取り締まりに行くことになるのである。こうした動きが、トルクメニスタン全土で始まっているという。
残念なことに、すでにトイレの点検だけで少なくとも10人の公務員が解雇されたことがわかっている。
小学校や高校生が摘発される!!
こんな事言われると、教科書に落書きしちゃうような小中高校生にとって非常に危なっかしいルールであると思わないだろうか。それもそのはず、このルールにまず引っ掛かってしまったのは学生さんたちだった。
2017年、北部の都市タシャウスの学生10人が大統領の肖像画にヒゲを描きまくる落書きをしてしまい学生らは拘束され、器物損壊や秩序を乱す行為で3~5年の懲役が科せられたのである。
また今年3月も、小学校のトイレに大統領の顔が印刷された新聞紙がトイレットペーパーとして置いてあり、厳重注意となったという。いずれもこうした抜き打ちトイレ紙検査によって、多数の警告や逮捕が行われている。
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こうした大統領の謎法律の発令はこれだけではない。2018年の1月にも、大統領は白が好きであるという理由だけで、黒い車を法律で禁止したのである。
非常にはた迷惑な話だが、こんな小さなことまでも禁止する大統領の権力の強さに、筆者は恐れおののくばかりである。
参照元:Fergana News