監視によってストレス増加につながる機器が…
退屈な授業の合間、ついついうとうとしてしまったり、友達としゃべってしまう時もあっただろう。
その度に優しい先生がそっと注意するか、厳しい先生が怒号を飛ばすかのどちらかだったが・・・中国では、もうそんな光景が見られなくなるかもしれない。
5月16日、中国・浙江省杭州市にある高校が、ある最新機器を導入した。
なんと、授業中などで学生の表情を解析し集中力を監視する、最新型のカメラである。
その名も、スマートキャンパス!
What else can surveillance cameras do in classroom other than exam supervision? High school in #Hangzhou uses camera to identify students facial expression for class performance analysis and improvement pic.twitter.com/bXolAE7Ev8
— People's Daily,China (@PDChina) 2018年5月16日
この取り組みをしているのは、杭州市立第十一中学校(日本では高校にあたる)。機器自体は、国内のIT企業が無償提供したものだ。
スマートキャンパスは黒板の上部に設置され、学生全体をモニタリングできるようになっている。
出欠席を記録することの他、授業中はAIが学生達の表情を解析し、7つの状態に振り分けられる。その内訳は、平常・幸せ・悲しい・落ち込み・怒り・怖い・驚きだ。
授業中に収集されたデータはパーセンテージで表示され、集中している学生と全く聞いてなかった学生が数値化されるのだ。
設置に反対する教員の一人は、地元メディアのインタビューにこのように答えている。
この機器は主に集中力や努力度を測るものではありますが、多くの問題があります。
カメラにずっと監視されていると感じているだけでも、学生達にとって非常に強いプレッシャーを与えることになります。
私はこの方法は適切な学習の手段ではないと思います。
教員たちが目指しているのは、学生たちに自主的な学習を促し、のびのびと成長して貰うことである。このモニターの設置によって、学生たちの心身に影響が出ることを懸念しているようだ。
今月から取り組みが実施されているというが、実際に監視されている状況は学生からはやはり非常に不評である。皮肉なことに、モニターを設置したことによって、ストレスレベルも歴然となってしまったのだろう。
もちろん、父兄からも「刑務所か!?」「生徒が国の発展のための実験になってる。」といった大きな批判が湧いている。
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このモニターは、学生はもちろん教員にも大きなプレッシャーとなるだろう。学生が全く集中していなかったことも明るみになり、「私の授業はダメだったのか・・・」と落胆してしまう可能性もある。
現状の教育現場は様々な問題を抱えているが、スマートキャンパスは悪い面を益々悪化させてしまうかもしれない。導入には程遠いだろう。
参照元:Twitter、IT Explorida