先月18日、米テキサス州サンタフェの高校で起きた銃乱射事件はわれわれの記憶に新しい。
そして、5月24日に開催されたNBA第5戦(ロケッツ対ウォーリアーズ)の会場では、この事件の犠牲者に黙とうが捧げられたのだが、NBA公式Twitterに投稿された1枚の写真が人種差別だと物議を醸す事態になってしまったのである。
手をつながない白人少女と黒人少女
それがこの写真だが、人種差別につながる点はみつかるだろうか。
#SantaFeStrong pic.twitter.com/j5ALaQ8N4L
— NBA (@NBA) 2018年5月25日
「SantaFe Strong(サンタフェよ、強く)」とメッセージの込められたTシャツを着た高校生たちによる黙とうだが、右端にいる黒人少女ニコルさんが隣の白人少女と手をつないでいないのがわかる。
どうやらこれが「人種差別」だと、ネット民たちの格好の餌食となってしまったようだ。
・なんで誰も黒人少女と手をつながないんだ
・この白人少女は誰だよ
・公共電波を通して人種差別を見せ付けたな
多くの否定的なコメントが寄せられるなか、これに意見したのは他の誰でもない。ニコルさんとその母親が参戦してきたのである。
SNSで繰り広げられる人種差別論争
ニコルさんの母親だと名乗るTwitterユーザーLyndarjanさんはこう述べている。
話題になっている黒人少女は私の娘です。何もかも人種差別と結び付けようとするのはやめてください。彼女たちは娘の大切な友人です。娘は友人と手をつなぐと感傷的になり泣いてしまうと思ったのです。だから手をつながなかっただけです。
しかしこれに対し、「彼女があなたの娘だという証拠は?」などとさらに追い込むような質問が投げかけられることに。
これは母親のLyndarjanさんが白人で、ニコルさんが黒人であることから親子だと信じなかったのかもしれない。ただLyndarjanさんはニコルさんを養女として引き取ったことに触れ、家族で写る写真も投稿した。
先入観によって生まれる人種差別
それでも事態は収束しなかったため、ついにLyndarjanさんのツイッターにニコルさん本人による動画が投稿されたのである。
私が渦中のニコル、そしてこっちがママよ。私の友人を人種差別主義者だと呼ぶのはやめてちょうだい。私が黒人であることは紛れもない事実だけど、だからって人種差別と結びつけないで。これでもう終わりにしましょ。
そう、もしニコルさんが白人だったならば、この写真に異議を唱える人はいなかったかもしれない。
たまたま隣の白人少女と手をつないでいなかったニコルさんが黒人だったがために、多くの人の先入観により生じた誤解だったのである。
いまだ多くの国で根強く残る人種差別問題だが、今回のように先入観により生まれるものも多いのかもしれない。
参照元:Twitter、Distractify