『ユダヤ人大量虐殺の地』で記念セルフィーを撮る観光客にまさかの方法で物申す!

アート

どこでもスマホで撮影するのはアリかナシか!

スマホが普及し続ける近年、場所を問わずどこでもセルフィー(自撮り)を楽しんでいる人をよく目にするのではないだろうか。SNSに投稿し「いいね!」が欲しいためにこんな危険セルフィーに挑む若者も多く社会問題にもなっている。

@selfie.mylifeが投稿した写真


@selfie.mylifeが投稿した写真

そんなセルフィー文化が当たり前になりつつあるこの世の中に物申す人物がいた。イスラエルの作家Shahak Shapira(シャハク・シャピラ)氏だ。

© Johann Sebastian Hänel

Shahak Shapiraさんの投稿 2016年9月9日

シャピラ氏が例に挙げたのはユダヤ人大量虐殺の背景となった「ホロコースト記念碑」でふざけたセルフィーを撮る観光客たち。そう、撮影するときには『場所』を考えなければいけないというのが彼の言い分だ。

虐殺されたユダヤ人のことを考えると無礼すぎる行為ではないのか!?

ARM-Mustafaさん(@arm_mustafa)が投稿した写真

Pauli Aranevaさん(@araneva)が投稿した写真


「ホロコースト記念碑」とはベルリンに建てられた「大量虐殺されたヨーロッパのユダヤ人のための記念碑 Denkmal für die ermordeten Juden Europas」である。毎日ここを訪れる観光客は約1万人もいると言われているがここでも記念セルフィーを撮る観光客が多くみられる。記念撮影ならまだ許せるのだろうが、多くの観光客たちは19,000m²の大型構造物にある2,711枚のコンクリートの平板の上に乗ったり背景にしたりして馬鹿げたポーズをしたり、飛び跳ねたりと完全に本来の記念碑の意味を忘れてしまっているのだ。

シャピラ氏はこう話す。

ホロコースト記念碑が建てられた本来の意味や役割はこの歴史について物議を醸すことなんだ。たくさんの灰色の石碑は、死の収容所で焼かれた人々の灰であり、殺害され墓に埋葬された600万人ものユダヤ人のための象徴なのだ。

そしてシャピラ氏はあるウェブサイトを立ち上げた。それがこれだ!

「君たちがやっていることはこういうことだ!」

Hati TCさん(@hatitc)が投稿した写真

MartaCzさん(@bsue.ma)が投稿した写真

Lisaさん(@peachyyys)が投稿した写真

ふざけたセルフィーを撮ってインスタやFacebookなどに投稿している人たちの写真を使い、シャピラ氏が考える歴史的背景をイメージし、その写真と合成させたのだ。逆立ちしたり石碑の上でポーズをとる観光客の背景には虐殺されたユダヤ人たちがうつる。それは殺害された死体の山だったり死の収容所で最後の時期を迎えた痩せこけたユダヤ人だったりする。彼らの強い眼差しは何かを訴えているようにさえ感じるのである。

歴史的背景を考えるべきだとの訴えが共感を呼ぶ!

第二次世界大戦中のナチス・ドイツによるユダヤ人絶滅対策が「ホロコースト」と呼ばれる。ただユダヤ人というだけで600万人以上もの人が迫害され大量虐殺されたのだ。

そして2005年5月12日、ベルリンに「ホロコースト記念碑」が一般公開されることになった。それとともに観光客が多く訪れることになったのだが、この残酷な歴史を一体どのくらいの人が知って訪れるのだろう。シャピラ氏はそんな無知な観光客たちにこのうえない方法で知らしめることができたのではないだろうか。

参照元:InstagramFacebook

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sugi

海外生活に憧れ日本を飛び出した、考えるのは苦手な即実行型。自称人生経験豊富だがフリスクの開け方をつい最近知った実は箱入りアラフォー娘。

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