平和な日曜日に通報してきたのは・・・？

7月8日の日曜日、アメリカ、ワシントン州バンクーバーにある小さなお店から、突如「出られなくなった！！」と切迫した緊急通報が飛び込んできた。

クラーク郡警察署の職員が駆けつけると、そこでは・・・強盗が店内から出れずにパニックになっていたのである。普通のお店なら出られなくなるなんてことはあるはずがないが・・・警察官は店の看板を見てすぐに納得したに違いない。

なぜなら、そこは脱出ゲームのお店だったからだ。

脱出ゲームから脱出できず

被害に遭ったのは、ご夫婦2人が経営するアミューズメント施設、「エスケープ・エクスペリエンス」。

強盗はこの日、店の裏にあるドアを破壊し内部へ侵入していたとみられている。

店内の冷蔵庫からビールやブリトーを食べてくつろいだ後、携帯電話とテレビのリモコンを盗んで外に出ようとしていたという。しかし、入ってきた裏口のドアが破壊した反動で開かなくなってしまっていた模様。

仕方なく正面のドアから出ようとしたようだが、扉はガッチリとロックされていた。その理由はもちろん、時間内にパズルを解かないと出られない仕組みになっているからである。

脱出ゲームというものは本来、仲間と知恵を出し合いながらクイズやパズルを解いて密室から出るゲームだ。万が一時間切れになっても店員によって出ることができるが、今回のように侵入した場合は到底脱出できるわけがない。

こうしてすっかり閉じ込められてしまった男は大パニックになり、フロントデスクにある電話から何度も通報していたという。

現場はロッカーが押されていたり、飾られていた花が破壊されていたりしており、無理やりにも脱出しようと試みていた痕跡が多く残されていたという。どうやら、謎を解かなければ出られないことにすら気づいていなかったようだ。

最後には裏口を突破して出れたようだが、駆けつけた警官と鉢合わせしてしまい、すぐさま空き巣の疑いで御用となった。

この事件を聞いたこのお店のご主人は、「知らせを聞いてすぐ店に行ったけど、全然被害がなかったことがわかるとおかしくてたまらなかったよ！」と、事件を明るくとらえていたようだ。

ちなみに男は35分間中におり、脱出時間の平均が50分～1時間ほどだというが、警察に助けを求めたらさすがに失格である。

その後、エスケープ・エクスペリエンスの公式フェイスブックでは、この事件にあやかり「君は泥棒より賢いか？」という企画を開催し、7月31日まで20％オフのセールを行っているようだ。

事件を逆手に取っちゃう感じがとてもアメリカらしいと思わないだろうか。泥棒がパニックになる程のスリルと難易度がそろってると来れば、きっと多くのお客さんに恵まれるに違いない。

今回の事件は、脱出ゲームの思わぬ宣伝となってしまったようだ。

参照元：Facebook、FOX12 oregon