時間を厳守する日本人
今年5月、JR西日本が、「能登川駅で新快速電車が定刻よりも25秒早く出発してしまったこと」を謝罪した。
時間に厳しい日本人にとって、電車が定刻通りに発車しないことは死活問題にすらなりうる。しかし、たった数十秒の誤差に対して丁寧に謝罪文を出す日本の鉄道会社は、海外からするとイレギュラーであり、アメリカやイギリスの大手メディアがこぞって報道することとなった。
日本の時間感覚の特殊さが表面化したニュースであった。
世界の時間感覚の違い
住む場所が変われば時間感覚も変わる。オンラインゲームサイト「Mr Gamez」は、日本を含めた15カ国の「時間感覚」の違いを調査し、イラストにまとめた。
View Interactive Version (via MrGamez).
韓国:時間厳守は重要であり、遅刻は「敬意が足りない」とみなされる。
マレーシア:「5分遅れる」は「1時間遅れる」を意味する。遅刻には寛容で、謝罪は必要ない。
中国:予定より10分程度の誤差ならば、遅れとみなされない。
日本:1分程度の誤差でも、遅れとみなされる。
メキシコ:予定より30分程度遅れる事は珍しくない。
ドイツ:10分前行動が期待される。
ナイジェリア:「1時からミーティング」は「1時~2時の間にミーティングがスタートする」を意味する。
ブラジル:「イングリッシュタイムで」という言葉が使われない限り、時間厳守は要求されない。
サウジアラビア:時間厳守は重要でなく、会議にも30分程度遅れる事がよくある。イベント中に時計を見るのは失礼とされる。
ガーナ:会議の時間は「フレックス」である。
インド:時間厳守は美徳ではない。
モロッコ:1時間~1日遅れることを「モロッコ時間」と呼ぶ。
ギリシャ:時間厳守は重要でない。社会的には少なくとも30分は「遅れるべき」。
カザフスタン:結婚式にすら遅刻する事が許される。
ロシア:忍耐は重要視されるが、時間厳守は重要でない。遅刻に対する謝罪を期待してはいけない。
このイラストは、イギリスのメディア「デイリー・メール」も取り上げている。デイリー・メールのコメント欄には時間に厳しい日本に対してさまざまな意見が寄せられていた。
イギリスの鉄道会社は、日本から学ぶべきことがあると思う。イギリスでは30分以上遅れないと、「遅れ」とみなされない。
倫理観と成功の間には相関があるね。ギリシャと日本がいい例だ。
日本の奇妙なところは、時間には厳しいのに、まわりくどい習慣のせいで会議が冗長であること。
時間に対する価値観は国によって全く違う。時間に追われ、すし詰めの満員電車で通勤する日本人は、世界から見れば哀れみの対象なのかもしれない。
参照元:BBC、Daily mail、Mr Gamez