ローマ北西部に位置する、世界で一番小さな国・バチカン市国。この宗教国家を治めるローマ教皇は、全世界のカトリック教徒の最高指導者でもある。
バチカンでは毎週水曜日にローマ教皇の一般謁見が行われ、教皇が壇上で演説などを行う。一般謁見といえど、参列者と教皇の間には距離があり、壇上は何者にも侵しがたい荘厳な空間である。
しかし先日の一般謁見の際、怖いもの知らずの男の子が、なんと壇上に上がりこんでしまうという事件が起こった。
【動画】ローマ法王謁見で、予期せず子どもが登壇。 pic.twitter.com/WOsguXLcjV
— ロイター.co.jp (@Reuters_co_jp) 2018年11月29日
ブルーのセーターを着た男の子が、壇上を自由に歩き回っている。
その後、母親も壇上に上がり謝罪した。母親は教皇に「息子は自閉症であり、会話ができない」ということを伝えたそうだ。すると教皇は、参列者に向かってこんなスピーチを行ったのだという。
この子は話すことができない。口が利けない。だが彼は意思を伝え、自らを表現する方法を知っている。それだけではない。彼は自由だ。その自由に手に負えない面はあっても、自由なのだ。
われわれは皆、自らに問うべきだ。自分が神の前で同じだけ自由でいるか、と。われわれは皆、子どもが父の前にいる子どもと同じように、神の前で自由であるべきなのだ。
参列者たちは教皇の寛容さを称え、会場には拍手の嵐が巻き起こった。
現教皇は、以前ある男性と対談した際にも、男性が同性愛者であることに対し「それは問題ではない。神はあなたをこのようにつくり、このままのあなたを愛している」と語ったと報道されている。