クセになるラインライダー
「ラインライダー」というフラッシュゲームをご存知だろうか。
マウスを使って書いた線や図形に沿って、「小さなライダー」がソリにのって走ってくれるというものだ。
こんな感じ
マーク・ロビンズさん(@DoodleChaos)は、このシンプルなゲームを使って、芸術的な動画を制作している。
チャイコフスキーの音楽にぴったり合わせて、飛んだり跳ねたりするライダー達。この動画に多くの人が「中毒症状」を起こしている。
何度も試行錯誤を繰り返しながら、手作業で作っていくというこの動画。完成までに一ヶ月以上はかかるという。
「作りはじめてから、何度も同じ曲を繰り返し聴いているうちに、頭がおかしくなりそうになるんです」マークさんは、記者の取材に対してそう語ってくれた。
そうまでなりながら、一体なぜ作るのだろう?
「ラインライダーに興味を持ち始めたきっかけは、デジタルアーティストのベンジャミン・ハーベイ(@Rabid Squirrel)に影響されたからです。はじめてラインライダーを芸術的に作り上げた動画を見たときに、衝撃を受け、どうしても自分でも作ってみたいと思いました」
小さい頃から「キネティック・アート」が好きだったというマークさん。キネティック・アートとは、「動く芸術」とも訳される、仕掛けで自立的に動く芸術作品のことである。
日本では、ユーフラテス(@EuphratesLtd)が制作している、ピタゴラスイッチのピタゴラ装置といえばわかりやすいかもしれない。
シンプルな直線や図形の配置によって、ライダーが自立的に動き回るラインライダーも、キネティック・アートの一つであるといえる。
「子どもの頃、Animusic(@AnimusicLLC)や、OK Go(@OK Go)のミュージックビデオに感銘を受けたことを、今でも覚えています」
「なぜキネティック・アートに惹かれるのかを説明するのは難しいけど、奇妙なくらい、満足感があって美しい何かがあると思います。そして、自立的に動くものと音楽を合わせると、私はより音楽を身近に感じられるんです」
確かに。マークさんの作った動画は、その魅力のすべてを物語っている。