「太っている人は乗らないで」保護団体が呼びかけ
▲サントリーニ島の光景
美しいエーゲ海に面する、ギリシャの小島「サントリーニ島」。別名ティーラ島といい、吸い込まれそうなほどの青い海と、白壁の家が建ち並ぶ、世界有数の絶景の島である。
その島の名物であるロバタクシーは、愛らしく自由気ままなロバたちや、急斜面が続く街並みを観光するのに、昔から人気を集めている。
元々ロバはサントリーニ島の生活に欠かせない動物として、強い足腰で山を登り輸送手段などとして共存してきた。その文化を継承しロバ達を守るため、観光客から資金を得てロバの楽園として保護活動が行われている。
しかし近年、このロバタクシーにある問題が起こっているという。
上の画像をご覧いただくと分かるように、明らかに太り過ぎな観光客が乗っており、非常にロバが辛そうにしている。
ロバタクシーの業者は島内に数多く存在しており、中には客をとりたいがために、ロバが支えきれないような体重の客を無理やり乗せる業者もいるのだという。
そのため、石畳で足を痛めてしまうロバが続出している状況なのだという。
更に、嫌がって噛みつくことを防ぐため口輪までされており、劣悪な環境で働かされていることがわかる。
こうした太り過ぎの観光客はここ10年で多く見られており、その多くがアメリカやロシア、イギリスからの観光客であることが分かっている。
こうした状況を受け、サントリーニ島の動物保護団体「The donkey sanctuary」はフェイスブック上にてこのような声明をだし、ギリシャ政府に罰則強化の嘆願書を提出している。
動物が背中に乗せていいとされるものの推奨重量は、載せられる動物の体重の20%までです。
肥満や太り過ぎの観光客を乗せると、568段にものぼる石畳の階段や、日陰が足りないことによって怪我する可能性が高まります。観光シーズンに差し掛かる今の時期はロバが足りなくなり、繁殖用の雌馬も駆り出されています。
良いオーナーに恵まれていると元気で体力がある間のみ働くことになっていますが、多くのロバが、十分な休息や水分を与えられずにいます。
もしあなたが海外でロバタクシーに遭遇したら、ロバがこうした苦境に立たされていることを心の片隅に少しでも思い出してほしい。