チップスから出火?
7月12日、アメリカ・テキサス州オースティンにある消防署が、市内随所で謎の自然発火が次々と起こっていることを明らかにした。
しかも12日の週だけで、なんと4回も通報を受けているとのことで、極めて異例の事態である。
更に驚くべきことに、工場が稼働していないはずの早朝にも自然発火!
火元になったのは・・・・なんと箱に詰められたトルティーヤチップスだったのだ!
消火にあたったオースティン消防署の調べによると、出火原因はトルティーヤチップスの自然発火であることが発覚。なおFacebookページ上では、トルティーヤチップスによる火災は初めてだと明かしている。
工場は出火の前、失敗したチップスを新しい方法で処分しようと模索していた最中で、大きな段ボール箱に詰めて保管していたのだそう。
しかしわずか3日後、この箱から自然発火し、トルティーヤは火に包まれる。幸いにも段ボールは外に置かれていたとのことで、工場内部への被害は少なく、けが人もいなかったという。
これを受けて自然発火のリスクを考慮し、他の燃えていなかった段ボールもすべて水浸しにしておいたとのことだ。
なぜトルティーヤチップスが燃えたのか
トルティーヤチップスのイメージ画像。
トルティーヤチップスからの自然発火のメカニズムは、日本で言う天かすの自然発火と同じメカニズムであると考えられている。
高温で調理された天かすをまとめて放置しておくと、内部から熱が逃げにくくなり、温度が上昇する。更に、天かすもチップスも空気に触れる部分が多いため、空気中の酸素を吸着し、反応熱によってもっと温度が上がっていくのだ。
こうしたことからどんどん熱が上がっていき、油の発火点に至って火がつくという仕組みだ。
今回のトルティーヤチップスも同様に、揚げた後小さく砕かれた状態で段ボールに詰まっていた。そのためチップスに熱がこもり、今回のような自然発火が起こってしまったのだ。
東京消防庁はこうした事態を防ぐため、1か所に溜めない、熱がこもる容器を使用しない、天かすを捨てる時には十分に冷やしてからの3つを呼びかけている。
今の暑い季節は熱が逃げにくいため、更に火災の危険性が高まる。みなさんも、揚げ物の取り扱いには十分に気を付けて欲しい!